日  時 2019年5月24日(金)13:35~15:10
学  校  名 杉並区立杉並第二小学校
実施学年 6年生 3クラス(79名)合同で実施
課 程 等 総合的な学習の時間
授業内容 マナー教室
協力企業 リーガロイヤルホテル東京
 料飲部 及川忠彦様

   

「マナー教室」 を受けて

第6学年主任 坪池 学

日本には古来より「おもてなし」の精神が脈々と流れています。間違いを恐れず言わせていただくとすれば,それは自己満足に浸るのではなく,向き合う相手の満足度や幸せ感の高揚を第一の目的としており,物質的な充足に留まらず精神的に「心を尽くす」ことに大きな徳が内在されていると理解しています。
この度講義をいただいたリーガロイヤルホテル東京「マナー教室」では,自らを美しく,そして相手に失礼を与えない振る舞いの基礎を丁寧に教えていただきました。本年度より始める職場体験を前に,参加した児童79名全てが「職場体験でいい印象を持たれるようにしたい。」「自己の就職の際に生かしたい」など,近未来の自己をイメージして臨むことができました。
ですが,この授業が抱く価値は,未来の自己をよりよく周囲に映し,「好感」を得るための方策だけを伝えていたわけではないと思われます。児童は日常生活で,今も多様な価値観を持ち合わせる周囲の者と協力,協調し,穏やかな社会を築いていきます。そして時には相容れない者とも新しい価値を創造していくことが求められています。ですから,将来を見据えながらも,接遇のノウハウに象徴される「おもてなし」の精神を向き合っている周囲の者に示して「生きて」ほしいという切なるメッセージが込められていると感じました。
『及川さんのお話を伺っているとき,誰に対しても敬語を使っていました。私も,下の子でも誰にでも,敬語を使いたいと思いました。(授業後の児童の振り返り 一部抜粋)』、ある 『正しい礼,きれいな身だしなみ。全部自分が相手によく思われるためだけだと思っていました。でも,マナーを意識するってことは,相手に不快な思いをさせないといった消極的な意味だけではなく,相手を大切に思うからこその在り方だと思った。だから,まずは一番身近にいる家族にマナーの意識を発揮したい。そして友達。私は友達を大切にしたい。(授業後の児童の振り返り 一部抜粋)』
本校では「しあわせの風~幸せ美しい心に宿る」と題し,「しせい,あいさつ,笑い,せいとん」を意識する生活改善運動に取り組んでいます。本講義でいただいたマナーは,自他ともに「美しい心」を追究するうえで,その全てを体現するものであると感得しています。また,意識するだけでは「美しさ」の具現は十分とは言えないでしょう。「心の美しさ」を形で示すためにも,具体的で実践的な内容は,これまでの自己の在り方を再度捉え直す契機となっていると受け止めています。
キャリア教育が盛んに取り組まれて久しいですが,本授業が,職業紹介にとどまることなく,現在の自己の在り方を見つめ,生き方に思いを寄せる教育的価値に富んだ授業であったこと,非常にうれしく,そして光栄に思っております。講師を務めてくださったリーガロイヤルホテル東京の及川様,そして学年の状況に鑑みてコーディネートしてくださった「おやじ日本」の皆様には大変感謝をしております。ありがとうございました。