日  時 平成28年7月9日(土)9:45~11:35
学  校  名 杉並区立東原中学校
実施学年 1~3年生 各2クラス(178名)クラス単位で実施
課 程 等 総合的な学習の時間
授業内容 キャリア教育「生き方を学ぶ講座」~企業の人の話を聞く会~
協力企業 株式会社 ゼンショーホールディングス
   人事部 塚原康介様、阪田啓太様
読売新聞東京本社
    教育ネットワーク事務局 当間敏雄様
ヤマト運輸株式会社
    埼京主管支店 井草支店 入澤夢仁様、岩崎多重様
   埼京主管支店 安全推進課 長濱博偉様、田部雄一郎様
株式会社 JTBコーポレートセールス
   教育第二事業部 営業第一課 得本 直様
あいおいニッセイ同和損害保険株式会社
   広報部 CSR推進室 米村直子様
   あいおいニッセイ同和損害調査株式会社 石橋昌祐様
EY税理士法人
 ビジネスディベロップメント カーンズ裕子様
    ドランザクション タックス部 藤川 武様

ゼンショー①   ゼンショー②   ヤマト運輸①ヤマト運輸②   読売新聞①   読売新聞②あいおい③   あいおい④   JTB① JTB②   EY税理士法人①   EY税理士法人②

「生き方を学ぶ~企業人から話を聞く~」の授業を終えて

 第1学年主任
原田 真帆

 今回、1学年では、ゼンショーホールディングスと読売新聞社の方々に、働くことの意味と価値」というテーマについて、具体的な仕事内容やその裏側にある努力など、貴重な話をしていただきました。現場の生の声を聞く貴重な機会に、生徒たちも真剣に聞き入り、反応をしていました。
お話の中で、一つの見方に捉われず多角的に物事を捉えるという視点や社会貢献、自分の仕事に対しての誇りなど、仕事をする上で欠かせないことを教えていただきました。改めてこのような視点で考えることにより、現在の生活についての感謝の心が芽生え、その気持ちを噛みしめながら過ごしていくことができ、視野を広げることができると感じています。また、「仕事の一つ一つには大切な意味がある、必要のない仕事なんてないんだよ」という言葉は、生徒たちの心を強く動かしたようでした。日本国内のみならず、諸外国との連携、そして「誰か」の「何か」によって生活が成り立っていること、私たちが手にしているものには、多くの人の努力があるということを再認識することができま した。将来の夢については、漠然としたイメージを描いている段階という生徒が多いですが、今回のお話で、いずれ自分たちが社会に出ていくこと、そして働くということの意識が強まったと思います。
夢を実現させるためには、日々のチャレンジ精神や自主性、積極性、また社会情勢の  変化に対応できる力が必要になってきます。今後も体験活動やボランティア活動を通して、地道に積み上げていくことを大切にし、働く上で必要になる力を高めていければと思います。

第2学年担任
菊地 祐太

 2年生は職場体験学習に向けて、マナー講座などを行い社会に出ることの意味について考える時間が増えてきています。職場への電話や事前訪問、そして実際に5日間の職業体験を通して、自分たちが暮らす社会がどのように動いているのか、どれだけ多くの人の働きによって社会が支えられているのかを知る良い機会となると考えています。
今回の授業では、JTBとヤマト運輸の方々の話をうかがいました。どちらの企業も戦前から続く長い歴史の中で培われてきた企業理念や、働くことの喜びややりがいについて話してくださり、仕事に対しての熱意や誇りが伝わってきました。内容は生徒が興味をもちやすいようにクイズ形式やランキング形式、映像などを織り交ぜ、工夫していただいたことで、生徒も興味をもって聞くことができました。
事前のアンケートでは、お金のことなどについての質問が多くありましたが、当日お話を聞いた後には「これまでの一番の失敗は何か」などこれから自分達が職業体験をすることも踏まえた具体的な質問もあり、生徒が働くことへの認識を深めることができたと感じました。
この2時間を通して、どんな仕事でも働くことの大変さ、真面目に向き合うことの大切さは共通していることを再認識することができました。これは中学校での係活動や委員会活動にも通じるところがあります。今回の生き方を学ぶ講座をこれからの生徒の活動に生かしていければと考えております。ありがとうございました。

第3学年進路担当
佐藤 陽子

 キャリア教育3年目のテーマは「進学、就職に向けて企業や社会が求める人材」ということで授業が展開されました。
ひとつは、あいおいニッセイ同和損害保険株式会社で、講師の米村さんは職場での役割は何かを意識しているとのこと。自分がやっていることがどのような意味をもつか大きな意味でどう役に立つかを考えているとのことでした。石橋さんは身近な両親に仕事について話を聞いてみることや「自ら考え自ら判断し自ら行動する」ことが仕事をするときに必要な態度であるとお話くださいました。熱い志を持ち頑張ってくださいとのことでした。
もうひとつは、EY税理士法人より講師のカーンズさんと藤川さんからお話がありました。お二人とも学歴や職歴、すばらしいキャリアの持ち主で、遠い世界の人々と思われがちなところ、実は中学時代には勉強をたくさん頑張ってしていたとか、仕事上で失敗をしたこともあるなど、自分たちと同じ部分もあると引き寄せることができました。メッセージとして夢を持ち、ほどほどではなく一生懸命に取り組む態度が大切で今後の自分に役立つ等のお話を聞くことができました。
生徒たちは皆、税理士や保険などの少し難しい世の中の仕事、仕組みについての話を静かに集中して聞いていました。授業に散りばめられた役立つメッセージを受け止め、今後の自分のキャリアづくりに生かしていくことと思います。

生徒の感想文から(抜粋)

第1学年

《講師 株式会社ゼンショーホールディングス 塚原康介様 阪田啓太様》
○世界1位を目指して前進しているという話を聞いて、私も夢に向かって頑張ろうと思いました。大人になって自信を無くしたりするかもしれないけれど、今日の話をにあった言葉を胸に「プライド」を持って頑張ります。
○今回分かったことは、ひとつのものが分業していろんな人によって作られているということです。また、人や物事をいろんな方向から見ると新たな発見ができることが分かりました。
○一つの丼に何人もの人が関っていることを知り、すごいと思いました。話を聞いて、「必要のない仕事はない」ということがとても心に残り、どんな小さな仕事でも頑張ろうと思いました。
○今回の授業で、世の中は「誰か」の「何か」によって成り立っているということを知ることができました。明日からは、このことを考えて生活しようと思いました。とても充実した50分でした。
○僕は、この授業を受けて、今まで以上に態度が良くなるようにしようと思いました。将来、人の役に立てる人になれるように頑張ろうと思います。

《講師 読売新聞東京本社 当間敏雄様》
○お話を聞いて、平和で安全な日常をおびやかす出来事を伝えるだけでなく、その裏にある人々の気持ちを伝えることも大切なのだと学べました。
○その日のニュースがその日の新聞になるのが疑問だったが、よく分かった。いつも何気なく読んでいる新聞がたくさんの人がかかわり、とても大変な仕事だと思いました。
○新聞を作るのには大量の知識と少ない時間で仕上げる力が必要だと思いました。毎日読んでいる新聞にこれだけの力がかかっているという話を聞いて、見出しだけでも全面読みたいと思いました。とても勉強になりました。
○今日の授業では新聞の仕事の大変さを知ることができました。見出しをつける編成記者もかなり難しい仕事だと思いましたが、実際に現地に行き取材をする記者は場合によっては命がけだし、被害にあった方の気持ちも考えなければいけないので、身体的にも、精神的にも大変な仕事だと思いました。
○新聞って見出しがすごく大切だなと思いました。話を聞いて、見出しだけで記事内容に興味を持たせたり、読みやすくしてくれるのはすごいです。これから学級新聞みたいなものを作る時には見出しを大切にしようと思います。

第2学年

《講師 ヤマト運輸株式会社 入澤夢仁 岩崎多重 長濱博偉 田部雄一郎様》
○想像はしていたけど、寝る時間が少なそうで大変だと思いました。ただもくもくと配達しているのかと思っていましたが、一人一人の配達員がお客さんや仕事仲間との間に絆のようなものがあり、けっこう奥が深いと思いました。私も将来こんな仕事をしたいとおもいました。
○話を聞いて、物を運ぶのは義務で、何も楽しくないと思っていました。しかし、物を運ぶということが心の想いを運ぶということを知って、大変だけどよろこんでもらえてうれしいという感情が少し分かった気がします。
○トラックや自転車で運んでいるのを見たことがあるけれど、夏や冬など大変な時もやっていると聞いて、とてもすばらしい仕事だなと思いました。一つ一つの荷物を運ぶのがどれだけ大変なのか、受けとれることがどれだけありがたいことなのかがわかりました。
○今日の授業は、私が知らないことばかりで、受けていて楽しかったです。この仕事ならでは味わえる達成感、楽しみ、苦労などもよく分かりました。体験ビデオを見て、荷物とともに気持ちも配達していることを知り、やりがいのある楽しそうな仕事だと感じました。
○普段あまり気にしていなかったけれど、実はいろんな所でがんばって大切な思いを運んでいるんだなと思うと本当にすごいなーと思いました。ドライバーさんがお客さんのために思いを運ぼうと思えるのがすばらしいと思いました。

《講師 株式会社JTBコーポレートサービス 得本 直様》
○私はあまり旅行に行かないので、あまり関りのない仕事だと思っていましたが、意外と身のまわりでも関っていることが分かりました。もしかしたら一生の思い出になるかも知れない、一度きりの旅行を支え、プロデュースできる、すばらしい仕事だと思いました。
○難しいし、とても責任のある仕事だけど、だからこそ貴重な経験ができるのだなと思いました。旅行会社がこんなに昔からあったこと、たくさんの人が働いたり関っていることが分かりました。今日はとてもよい話を聞き、貴重な時間を過ごせたと思います。
○JTBがどういう会社なのかすらわからなかったけど、話を聞いて、旅行会社だということ、しかも一つのプランにコミュニケーションや絆などを深めてほしいという気持ちが入っていることがわかりました。働くということが少しわかった気がします。
○JTBは旅行だけだと思っていたんですけれど、それよりも、もっと多くの事業があることを知って、やっぱり自分の考えで決めつけてしまってはだめなんだなと思いました。話を聞いて、仕事の大切さがすごくよく分かりました。○仕事のやりがいはこつこつ積み重ねた努力が実現する瞬間とおっしゃっていましたが、私はこの言葉に働く意味を感じ、とても共感することがありました。

第3学年

《講師 あいおいニッセイ同和損害保険株式会社 米村直子 石橋昌祐様》
○保険のことはよく分からなかったのですが、今日のお話を聞いて、もう少し自分でも調べてみようと思いました。とてもためになりました。
○保険には身近なものからあって、生活する上で今もこれからも大切なものなんだなと思った。最後にあった、自分のことは自分で考えるということ、人と話すコミュニケーションが大切だという話が聞けて良かった。
○仕事の話はもちろん、その他の生き方や職業選択の話をていねいに話してくださり、とても参考になりました。また、女性の活躍の場面を増やしたり、障害をもつ方も皆と同じように働くことができ、社長と社員が家族的で、人間関係も素晴らしい、理想的な会社のことが分かりました。
○今日の授業では自主性やコミュニケーションの大切さを学びました。将来の夢は決まっていませんが、今日教えて頂いたことを生かせるよう頑張ります。○スポーツ選手など思ったよりもいろいろな人が働いていて驚きました。また、働いている人たちの仕事に対する気持ちがよく伝わりました。他人の話ではなく、自分も、今後は保険について考えたいと思いました。

《講師 EY税理士法人 カーンズ裕子 藤川武様》
○私は将来税理士か会計士になりたいと思っているので、とても貴重な体験になりました。改めてどんな仕事かがわかり、さらに興味がでました。
○働くために自分に対してどうしたらいいか、がんばらないといけないと思いました。将来はバレリーナになりたいし、外国に行きたいと思うだけですが、悔いのないように一つ一つ目の前のことを大切に一生懸命がんばりたいと思いました。
○リアルな話、生の話を聞くことができ、とても参考になりました。今まであまり知らなかった企業の話を聞くことで世界の見方が広くなったような気がします。講師の皆様がここまでくるのに苦労をしてきたことも知り、何をするにも苦労があると思い、精神的にも強くなれた気がします。
○今日のお話で気がついたことは、国際的な仕事をするためには英語力が必要不可欠だということです。なので、将来の夢に関らず、英語の勉強は頑張っていこうと思いました。
○私は「EY税理士法人」が分かりませんでしたが、株価にも関わる重要な内容など今回のお話を聞いて、はじめて知ることが多く、とても楽しかったです。挑戦を続けていくことがどれだけ大切か、改めて思い知らされました。