日  時2022年1月14日(土)10:40~11:30
学  校  名目黒区立東山中学校
実施学年中学2年生 3クラス(112名)クラス毎に実施
中学3年生 4クラス(136名)クラス毎に実施
実施内容キャリア教育「生き方教室」
協力企業2年生
 株式会社三井住友銀行
  渋谷駅前支店 工藤 智様、中山将吾様、大石恭平様
 日本アイ・ビー・エム株式会社
  第一サービス営業部 山崎武洋様
株式会社エフエム東京
  編成制作局 制作部 橋本 颯希様
3年生
 三井住友カード株式会社
  経営企画部 サスティナビリティ推進室 相良伊織様
株式会社ゼンショーホールディングス
  人事部 人財開発課 松井美憂様、加来翔人様
アマゾン ウェブサービス ジャパン合同会社
  法務部 笹沼 穣様
アマゾン ジャパン合同会社
  法務部 野坂優子様
ヤマト運輸株式会社
  南東京主管支店 人事総務課 紅林冴佳様

「生き方教室」の感想

伊賀・芦葉・石田

 この度は、「生き方教室」を開催するにあたり、講師の選出から当日まで本当にご尽力いただきありがとうございました。心より感謝申し上げます。

 教員は、教員以外の職業についての知識や経験がほとんどありません。しかし、生徒は、総合的な学習の時間に、キャリア教育の一環として様々な職業について調べたり、将来就きたい職業について考える機会があります。このようなとき、教員の仕事については生徒に詳しく話をすることができますが、教員以外の職業についてはそれほど詳しい話をすることはできません。生徒たちは、いろいろな職業について、本やインターネットで調べることはできますが、やはり実際に勤務されている方から携わっている仕事についてのお話を聞けたことは何より貴重な時間になりました。また、どの先生方も多くのスライドを使っての講話でしたから生徒にとっては分かりやすいものでした。

 仕事の内容だけでなく、講師の先生方が今の仕事に就くまでのこと、なぜその仕事に就くことになったのか、これまでにどのようなキャリアを積んできたのか、小中学生の頃から抱いてきた夢がかなって今の仕事であったのか、そして今の仕事の楽しさや、やりがいについてのお話には、生徒たちも私たち教員にも大変興味深く引き込まれる内容であったと思います。

 今回の「生き方教室」の目的には“社会で働く方々を通して人の生き方を学ぶ”ことがあります。この目的はしっかり達成できたと言えるでしょう。生徒たちは、これから自分自身の進路や将来のことを考えて進んでいきますが、きっと講師の先生方のお話から学んだことを生かしていくはずです。

 池田様はじめとしておやじ日本の方々、講師の先生方には本当にご多用の中、東山中学校のためにご協力いただきありがとうございました。

生徒の感想文から(抜粋)

2年生

【講師株式会社三井住友銀行 工藤 智様、中山将吾様、大石恭平様】

○普段あまり考えなかったお金のことを学べて、とても良い経験をしました。まだ自分でお金を管理していないため、銀行にお金を預けるメリットや投資といったことについてほとんど知りませんでしたが、講師の方々のお話を聞いて自分の将来の経済的な計画(ライフプラン)について考えてみようと思いました。講師のお話にあった投資についてはあまり実感がわかず、「ほう、なるほど」と思ったのですが、NISAの話には興味が持てたので、後日調べてみました。NISAは少額でできる投資だということが分かり、お金持ちの方だけでなく、色んな人ができる投資もあることを知りました。人の生活にお金は欠かせないことなので、将来どんなことをするか、それが考えられたら、次は経済的な計画を考えてみようと思いました。

○私は既に自分の口座を持っていて、銀行を利用しているのですが、株に関しては学習したことがないので、実情がつかめず不安でした。今回のお話を聞いて、株には安全性、収益性、流動性の3つの要素があること、しかし3つすべてがそろう株はないのでバランスをとりながら自分の希望にそって選ぶべきことを知り、正しく判断すれば過度に心配する必要はないと感じました。NISAについて質問させていただきましたが、10年、20年と続けていけばいずれ採算が取れることが分かり、どんな取り組みにも理由があって、その理由を自分でしっかり考えていくことが大切だと分かりました。今回の教室で金融と経済、社会情勢が深く結びついていることも分かったので、これから、これについても見識を広げていきたいと思いました。

○私は投資について少し勉強していたのですが、理解しきれていないこともあったので、今回の講話を聞いて、しっかりと理解することができました。お金について正しい知識を持つことは、お金のトラブルに巻き込まれたり、お金に困ったりしないようにするためにとても大切なことだと思うので、難しそうだからと避けずに将来のために真面目に勉強しようと思いました。将来のためにという面では貯蓄も大事だと学んだので、大人になった時にお金で困らないように今のうちから貯めていきたいと思いました。また、投資の種類も知ったので、安全性、収益性、流動性の3つのバランスをよく考えて投資の方法や投資先を選び、実際にやってみながら経験を積んでいけるようにしたいと思いました。

【講師:日本アイ・ビー・エム株式会社 山崎武洋様】

○私は、山崎さんの話を聞いて、きついと感じる営業の仕事に楽しさを見つけられるという考えを知り、見習いたいと思いました。何度ピンチが訪れても、その都度何度も立ち直ろうとチャレンジし、ピンチを乗り越えてきたということに憧れの気持ちを持ちました。自信を無くしてしまった時には一度勇気を出して逃げ、チャレンジにつなげられるようにしたり、自分をほめることで自信をとり戻りしたりするということは参考になりました。焦らず、自分のペースで、チャレンジすることを恐れず生きていきたいです。私はまだ中学生で、将来どのようなことがあるのか分かりませんが、今日の話を思い出しながらしっかり生きていきたいと思います。 

○お話の中で、山崎さんがもともとIBMに入社するつもりではなかったとお聞きして、志していた仕事とは違ったとしても、いろいろと経験できることがあること、入社してからできる夢もあることがあることが分かりました。また、やっていることの全てが上手くいくわけではなく、上手くいかなかった時は思い切って環境を変えてみることも大切なのだということも学び、趣味や息抜きでやったことが仕事の役にたつことがあると知りました。私はまだ将来就きたい職業は決まっていないのですが、1つの会社でも部署ごとにできることが違い、働き始めてから自分に合う仕事が分かることもあると感じたので、無理せず、自分のやりたいことを探していきたいと思います。

○仕事内容のほかにも山崎さんが大切にしているということからたくさんのことを学ぶことができました。特に、好きなことを大切にして、興味を持ったことをやってみるというお話が印象に残っています。それが自分の経験の1つになるだけではなく、意外な部分に良い影響を与えることがあるという実際の体験を聞いて、大事なことを学べたと思いました。また、限界が来る前に逃げるという選択肢は今まで私の考えにはなかったのですが、逃げることは決して悪いことではなく、それからまたチャレンジすることがとても重要であることも知り、これから自分をコントロールする考え方の一つとして身につけておきたいと思いました。全体を通して、自分が感じたことを重視して行動する大切さを感じることができ、今までなかった考えを知ることができて、とても勉強になりました。

【講師:株式会社エフエム東京 橋本颯希様】

○ラジオを聴いたことはあったのですが、普段の情報ツールではなかったので、今日のお話は、ラジオならではの魅力を知るきっかけになりました。最初に1人で10番組も担当していること、番組の裏で会議が長時間行われていることを知り驚きましたが、仕事を楽しみ、誇りを持っているからこそ乗り越えられるのだと思いました。私は将来の仕事のことをまだ決めていませんが、楽しさを重視して決めていきたいと思っていました。なので、放送の仕事の様子のお話や「人生の限られた時間で嫌いなことをやっているのはもったいない」「自分の好きなことで仕事を通して誰かを変えられる」というお話から、改めて好きなことを仕事にすることが大事だと感じることができました。

○ラジオの仕事はスケジュールがガチガチで大変そうでしたが、とても楽しそうでした。ディレクターの仕事は現場の指揮をとったり、とてもかっこいい仕事だと感じました。私はよく、サラリーマンの人が、「辛い」「働きたくない」と言っているのを見るので、仕事は辛いことばかりなのかと思っていましたが、好きなことを仕事にすると「辛い」より「楽しい」が勝つのだと分かりました。今回の授業を通して、自分の将来の見方が少し変わりました。まずは、高校からですが、自分の好きなことを大切にして進路を決めようと思います。

○一時期、私は、車で移動するときにラジオを聞いていたので、お話を楽しみにしていたのですが、まず、1つの番組を作るのに様々な人が関わっていると知り、驚きました。また、私は好きなことを仕事にするのは嫌な面が見えてきて辛いかなと思っていたのですが、そんなことはなく、嫌な面を越えるほど面白くて楽しいということを知り、好きなことを仕事にするのもいいなと思いました。私はまだ将来どうするかは全く決めていません。なので、これから色んなことに挑戦し、経験を積んで、将来の選択肢を増やしていこうと思います。

3年生

【講師:三井住友カード株式会社 相良伊織様】

○実際に働いていらっしゃる方のリアルな生の意見やアドバイスを聞くことができ、とても充実した授業でした。特に印象に残っているのは「自分の軸を大切に」という話です。私は中学生になってから「周りの雰囲気に合わせる」ことを意識するようになりました。その影響で、自分の意見を持たずに人任せにすることが多くなってしまいました。今日の話を聞いて自分で自らの人生像を描き、自分が将来何をしたいのかは自分で決めようと決意することができました。世の中で活躍されている相良先生の貴重な、ためになる話を大切にしていきます。

○お話をきいて、働くことはどういうことなのかを自分の中で考えることができました。私は、お話をきく前は、仕事とはお金がもらえるけれど、絶対にミスをしてはいけないような、あまり楽しいものではないと思っていました。しかし、「今までした中で最も大きなミスは?」という質問に対して、笑顔で「私には数えきれないほどたくさんあるが」という前置きして答えていた様子を見て、自分が今まで思っていたほどミスを恐れなくてもよく、のびのびとしてよいかもしれないと思えるようになりました。また、楽しそうにお話をされる様子から、仕事に対するやりがいが読み取れて、私も、将来の仕事への自信を感じるようになれました。

○今回初めてクレジットカード会社で仕事をしている方の話を聞きました。日本ではまだ3割と少しほどしかキャッシュレス決済が行われていないことや、隣の韓国では既に9割以上で、世界トップのキャッシュレスが進んでいると知り、とても驚きました。あと数年で万国博覧会が開かれ、外国からも観光客が来ると思います。このなかで、日本のキャッシュレス化を進め、来日した人がすぐに快適に決済できるようにすることを目指して仕事をしている姿がかっこいいと思いました。私もあと3年、18歳になったらクレジットカードを使えるようになりますが、キャッシュレスは不安なので、その時のためにクレジットカードの便利さと注意することをよく学んでおきたいです。

【講師:株式会社ゼンショーホールディングス 松井美憂様、加来翔人様】

○松井さんと加来さんのお話がとても面白く、50分があっという間に過ぎました。私は今回の生き方教室で、目標を持つことの大切さと努力することの大切さを改めて感じることができたと思います。特に、松井さんの「努力することで、1~10だった選択肢が1~100にもできる」という言葉が心に深く残っています。私はまだ、将来やりたいことが決まっていませんが、将来の夢を見つけた時、無事に実現できるよう、今からできることを探して、それを実現できるよう努力していきたいと思っています。

○第一印象から「素敵だな」と思ったお二方のお話は本当に奥が深くて、会社の名前を知らなかたことが恥ずかしくなるくらいに衝撃を受けました。特に、加来様が説明してくださった「世界から飢餓と貧困をなくす。世界の外食業のトップを目指す」という良い意味での貪欲さに心を打たれました。また、松井様の受験に関する体験談と激励の言葉は、受験が目前に迫っている私の心に刺さりました。私を含めてみんなが受験に、特に第一志望校の合格に対する不安があります。しかし、私は、今日のお話を聞いて、最後の結果がどうであれ一生懸命に努力し、自分の中のトップを目指して行こうと思うことができるようになりました。

○普段に家族や友達と食事をしているお店の会社で働いていかる方のお話を聞くことができてよかったです。松井さんから「目標があったからこそ頑張ることができた」と聞き、私にも第一志望校に合格するという目標があるので、それに向けて努力を続けていきたいと思いました。今の私には将来の具体的な夢はありませんが、お話をきいて、誰かのためになるような仕事に就きたいと考えるようになりました。ゼンショーホールディングスが世界一位を目指していると聞いた時は驚きましたが、私も現状に満足せずに更に上を目指して頑張りたいです。

【講師:アマゾン ウェブサービス ジャパン合同会社 笹沼 穰様、アマゾン ジャパン合同会社 野坂優子様】

○アマゾンでは、社員皆が失敗を恐れず、積極的に活動しているとのことでしたが、アマゾンが色んなことを試して失敗していたことを初めて知り、驚きました。失敗を失敗で終わらせずに次の商品の開発に技術が生かされていることを知って興味深く思いました。正直なところ、私は失敗することが怖いです。怖くてチャレンジできません。しかし、今日、笹沼さんの「チャレンジしないのは仕事をしないのと同じだ」というお話を聞いて「ハッ!」としました。これからは、笹沼さんのように、失敗を恐れずに積極的に行動し、日々の生活から多くのことを学ぶことができるように、様々なことに挑戦していきたいと思いました。

○僕は趣味でビデオゲームを作っていますが、製作の際に必ずと言っていいほど障害になることがありました。失敗を恐れる心です。「これをすると失敗するかも」とか「これをしたらすべてが無駄になるかも」。このような不安がいつも僕の行動を遅らせてきました。しかし、今回お話しされていた、失敗から学びチャレンジしていくことが大切だということが僕の考えを変えてくれました。アマゾンという巨大企業があれほどたくさんの失敗をしてきたとは思いもしませんでした。世界を変えるほどのことをするためには失敗から学び挑戦することがとても大切なのだと知りました。僕もこれからは失敗をおそれず、失敗しても挑戦し続けます。

○野中さんの豊かな経験や働くことなどを深く考えられる話が、受験生の僕にはとても役に立ちました。特に、人生はまっすぐな道ではなく、様々な間違いがあり、それだからこそ学べることがあるのだと考えることができました。僕も将来野坂さんのように日本と海外の資格を取得して社会に貢献できる人になりたいと考えているので、野坂さんの仕事についての話が非常に参考になりました。将来、何事も前向きに取り組んで、世界をより平和に、サスティナブルにできる人間になりたいと思います。

【講師:ヤマト運輸株式会社 紅林冴佳様】

○僕も宅急便にはよくお世話になっていますが、今では宅急便がなければ生活が困難になる人も多いことでしょう。今回のお話を聞いて、宅配業界の方々の働きが今の社会を回しているということを改めて実感しました。また、東日本大震災の被災地でのヤマト運輸の活動のお話に心を打たれました。ただ金銭的な利益のためではなく、社会に貢献するという強い使命感のもとに行動されたことを強く感じました。僕は人のために行動することについてあまり考えていませんでした。しかし、今回のお話を聞いて、将来、自分も、他人を思いやり、他人のために行動できる人間になりたいと思いました。

○今回、普段の生活の中では直接関わりを持たない方がどういう考えや心持ちで仕事をしているのか、非常に貴重なお話をうかがうことができました。これからの生活と学習の両面に生かしていけるお話でした。紅林様のお話から、物流が私たちの生活の中でどういった役割を持っているのかが分かり、そして、それに携わっている方々の仕事に対する誇りなども感じました。お話の最後にあった「VVCA」は今まで耳にしたことがないことでしたが、現在の社会に対する具体的で分かりやすい説明とそれに基づいた私たち中学生へのメッセージを聞いて、情報が溢れ、またかたよりもある現代社会において、自分から情報を求め、取捨選択をし、一歩でも先に進んでいこうと思いました。

○お話を聞いて、私たちの生活が物流に支えられていることを改めて実感しました。ビデオで、預けた荷物がどのようにして受取人に届くのかを学びましたが、いくつもの作業工程に多くの人が関わって運ばれていることを知り、驚きました。東日本大震災の時にヤマト運輸の方々が自主的に被災地の方々を支援したお話を聞き、自分以外の誰かのために行動した姿勢は見習わなければいけないと思いました。先の見えない今の社会では、紅林さんがおっしゃっていたように、助け合っていくことがとても大切だと思ったし、一人ひとりが自覚をもって責任のある行動をすることがとても大事だと思いました。今回のお話を心に留めて、助け合いの精神もった責任ある大人になれるように努力をしていきたいです。