令和4年度第7回未来教室
日 時 | 2022年7月15日(金)13:35~15:25 |
学 校 名 | 杉並区立東原中学校 |
実施学年 | 1年生 3クラス(87名)クラス毎に実施 |
2年生 2クラス(77名) 〃 | |
3年生 3クラス(84名) 〃 | |
課 程 等 | 総合的な学習の時間 |
実施内容 | キャリア教育「生き方を学ぶ講座」~企業人の話を聞く会~ |
協力企業 | 1年生 |
読売新聞東京本社 | |
教育ネットワーク事務局 石橋大祐様 | |
株式会社 ゼンショーホールディングス | |
人事部 人財開発課 西山春希様、池田 光様 | |
アマゾン・ウェブサービス・ジャパン合同会社 | |
金融事業統括本部 松川将士様、萩野健斗様 | |
2年生 | |
株式会社三井住友銀行 | |
経営企画部 サステナビリティ推進室 清水淳史様 | |
東レ株式会社 | |
東レエンジニアリング株式会社 総務部 二見 梓様 | |
東レ株式会社 CSR推進室 中嶋 環様 | |
3年生 | |
三井住友カード株式会社 | |
営業統括部東京 駒板真梨奈様 | |
日本アイ・ビー・エム株式会社 | |
東京ラボラトリー 清野薩夫様 | |
日本公認会計士協会東京会 | |
江黒公認会計士事務所 江黒崇史様 |
「生き方を学ぶ講座 ~企業の方の話を聞く会~」の授業を終えて
第1学年担当
夏休み開始を数日後に控えた日の午後、生徒達と共にふたつの「生き方を学ぶ講座」を聴いた。テーマとなっていたのは、“社会で働くことの意味と価値”。ついこの間まで小学生だった1年生達。普段はまだまだあどけなさが目立つ彼らが、徐々に大人びた表情になっていく。講師の方達のトークに引き込まれていくのが傍らにいる私にも伝わって来た。
講話はパワーポイントを使って進められ、工夫された画面は視覚的にも楽しく、生徒達の理解の助けに大いに役立っていた。もとより、講師の方達の話運びが上手で集中を削がれることがなかった。自己分析に始まり、自身が勤める企業への志望動機や仕事の実際とやりがいについてなど、時に生徒達との軽妙なやりとりも交えながら、内容はいずれも興味深く聞き応えがあった。終盤には、「自分も将来有用な人材になるのだ」という密かな決意が生徒それぞれの胸に芽生えたようで、それを一生懸命に発信しようとする様子が微笑ましかった。
今回の「生き方を学ぶ講座」から紡ぎ出された「働く」ということへの意識は、多かれ少なかれ生徒達の中に残るだろう。そして、やがて彼らが社会に巣立とうとする時、プラスに作用するに違いない。“現在進行形で活躍中の身近ではない大人”から話を聞く機会は、生徒達にとって大きな意味をもつと感じた。次なる「生き方を学ぶ講座」にも期待したいところである。
第2学年担当
2学年は9月に職場体験を控えていることもあり、将来の自分の姿を考える機会が多いのではないかと思います。今回の講座では、企業の方の話を通して働くことについて、夢について考えることができたように感じます。どのような背景で企業が創設されたか、どのような役割を担っているか知ることができました。目に見えないところで、大きな役割を担っているということは、大きな発見だったように思います。また、どのようなことに楽しさ・やりがいを感じて働いているか実体験を踏まえての話は、とても興味深いものでした。自主的な学びで知識を得ること、仕事で知識を得ることに喜びを感じている姿が印象強く感じました。中学2年生に向けてのメッセージとして、自分の進路は、自分で決める。そうでないと失敗したときに人のせいにしてしまうという話がありました。また、いくつになっても新たな夢に挑む姿を見せていただきました。今の自分の生き方について、将来の自分の生き方について考える良い時間となりました。
第3学年担当
第3学年では、「三井住友カード」「日本IBM」「日本公認会計士協会」の方に「企業や社会が求める人材」「夢と仕事」についてお話いただきました。その中で、求められる人材像や、企業はどのように成り立っているのかなど、具体的なお話を聞くことができ、とても有意義な時間となりました。また、現在は公民の授業でグローバル化や情報化、憲法、人権などについて日々学んでいます。その中で、授業で習ったことと企業の方々がお話してくださった内容の共通点を見つけたり、内容を深めたりできていると感想等を聞き感じました。また、女性の活躍の場が多い各社の現状、育休・産休等を男女ともに取得できる環境に、とても希望がもてた生徒も多いと思います。
今回の講義を通して、“信頼”のために何ができるか““常に今より良いもの、よい方法はないか探しつづけること”“仲間を大切にすること”“何事も全力で楽しむこと”など、仕事の根底にあるものを学ぶことができました。お話の中で、生徒にも大切にして価値観がたくさん挙げられ、とてもよい機会になりました。各社求められるスキルに多かったのはグローバル対応力(コミュニケーション能力、英語力)、ビジネスでの洞察力(好奇心)などこれからの社会に求められるものなので、それらを意識した生活ができると、さらなる成長に繋がるのではないかと感じました。大変有意義な時間をありがとうございました。
生徒の感想文から(抜粋)
1学年
【講師 読売新聞東京本社 石橋大祐様】
○石橋さんの話で特に印象に残ったのは、「自分で勝手に壁を作っているだけ。できないではなく、どうすればいいのかを考える」という言葉です。今まではできないと思ったことはあきらめていましたが、話を聞いてから、できないことにも挑戦してみようと思いました。
○心に残った言葉が2つあります。1つは、「分からないことは、とにかく質問すること」です。私は何か分からないことがあっても質問する勇気がなく、疑問をそのままにしてしまうことが多々ありました。石橋さんの話を聞いて反省しました。これからはとことん質問しようと思いました。2つ目は「新聞記者は生き方で、人生」です。私は働くのはお金のためと思っていましたが、仕事が生きがいになると聞いて、そう思える職業につきたいと思いました。
○街をぶらぶら歩くのが記者の仕事という話がとてもいいと思いました。家にいるよりも、外を歩き回ると刺激を受け、面白い情報にもそうぐうする言葉は参考になりました。ほかにも「人生はドラマ」とか「本当のことを知る」など、心にグサッとくる言葉があり、また、自分で考えるために情報を使って自分で決めることを大切にしようと思いました。
【講師 株式会社ゼンショーホールディングス 西山春希様、池田 光様】
○会社や日本のことだけでなく、世界の問題にも目を向けて活動していることを知り、すごいと思いました。また、今までクラスで担当している係や日直などにあまりほこりをもっていませんでしたが、「世の中は誰かの何かによって成り立っている。必要のない仕事はない。自分の仕事にほこりを持つことが大切」という話を聞いて、おおげさかもしれないけれど、自分の仕事でクラスが成り立っていると考え、少しほこりを感じました。
○仕事って大変そうだなと思っていましたが、今回の話を聞いて少し楽になりました。今は楽しそうだと思われなくても、将来楽しく仕事ができればそれでよいと思いました。まだふわふわした考えしかありませんが、今回の講座の話を聞いて、少し将来について考えてみようと思いました。
○世の中は「誰か」の「何か」によって成り立っているということがとても理解でき、何かのために、自分の目標のために、誰かのために働くのはとても良いことだと思いました。貧困などで困っている人が沢山いることが分かりました。話を聞きながら、世界中の人たちが困ることなく食べ物を食べられるようになることを願いました。自分にできることがあれば全力で取り組んでいきたいです。
【講師 アマゾン・ウェブサービス・ジャパン合同会社 松川将士様、萩野健斗様】
○萩野さんがおっしゃっていた「初心を忘れない」という言葉にすごく共感しました。私自身、中学校に入学してしばらくたつので慣れてきて、最初は気をひきしめて頑張っていたのに、最近は忘れ物が増えてきているのを実感しています。お話を聞いて、入学当時の気合を忘れないように頑張っていこうと思いました。
○失敗することが大切ということがよく分かりました。自分で働くか、どこで働くかなどの目標はまだ決まっていません。10年後はどうなっているのか知りませんが、自分ではネットに関係ある仕事につくと思います。1年生からバスケットボールをやっているので選手になるかもしれませんが、話を聞いて勉強の大切さが分かりました。これから、未来の幅を広げていきたいと思います。
○アマゾンのベゾスさんの言葉、「失敗を恐れない」「辛抱強くチャレンジする」がすごくいいと思いました。私は、すぐに怖くなって辞めてしまったり、チャレンジするのに抵抗があったりするので、つまずいたらこの言葉を思い出したいです。将来の夢はまだ決まっていなくて、「あれもやりたい、これもやりたい」と思うのですが、「やりたいことをやる」と聞いて、そうしてみようと思いました。「将来の自分を想像する」という言葉も大切にしたいです。
2学年
【講師 株式会社三井住友銀行 清水淳史様】
○銀行がお金を貸すときは、お金を預けている人に辛い思いをさせることがないように、貸す人のビジネスのことをすごく深く勉強すると知って、とても驚きました。どんな仕事にも何かを全力で学ぼうとする姿勢や意欲が大切なんだということを感じて、だから「好き」を仕事にすることが自分の人生を豊かにすることに繋がるんだな、と思いました。私も「好き」を仕事にできるように今のうちから頑張れることはしっかり頑張っていこうと思いました。
○自分の仕事をとにかく一生懸命にやっていることが分かるお話を聞いて、とても素敵だと思いました。1つ1つの案件にしっかり向き合ってそれにやりがいを感じていると聞いて、将来、私もしっかりやったからこそのやりがいを感じられるように努力したいとと思いました。今日のお話を将来に生かしていきたいと思いました。
○お話を聞いて、働く理由や意義、仕事をするうえで大事なことを知ることができました。特に印象に残ったのは、「働くことで重要なのは好きなことができる」ということです。人生の中で最も時間が長い仕事を好きになれる、それにやりがいが持てるというのはすごく大事だと感じました。9月の職場体験学習で行く職場では、今回のお話を生かして、やりがいを持てるように全力で取り組みたいと思います。
【講師 東レ株式会社 二見 梓様、中嶋 環様】
○一度ごみとして捨てられたものを何度も何度も手を加えて、人々の生活を豊かにする上に自然環境にも優しい素材を作る、東レさんの技術はすごいと思いました。お話を聞くうちに、私たちの生活を支えている仕事の多くは目に見えなかったり存在に気づきにくいけれど、重要な役割を果たしているということに気が付きました。私も職場体験の時、見えないけれど大切な役割を果たす仕事を一つ一つていねいに行おうと思いました。
○私は、二見さんのお話を聞いて、コンプレックスだった長身を生かしてバレーボールで活躍された二見さんの生き方がすばらしいと思いました。「人生は自分で決めるもの」という言葉にすごく心を動かされました。私は普段から人に流されやすいので、今回の講座を機に、自分で判断するように心がけたいと思いました。
○今回の講座で、素材を作るにもいろいろな過程を経ていることが知れて、物をもっと大切に扱いたいと思いました。他にも、素材が変わるだけで地球にやさしいものになるのだと知って、素材の大切さが分かりました。約97%の海水をSDGsの考え方で飲み水に変えるのもすばらしいと思いました。二見さんのお話から、人生で大切なのは自分で決めたことをつらぬくことと知れたので、これからの人生ではいろいろな選択があると思うけど、自分で決めて、決めたことは貫こうと思いました。
3学年
【講師 三井住友カード株式会社 駒板真梨奈様】
○私はまだ「将来の夢」が決まっていませんが、いざ決まった時に目標にしていた進路に進めないのが一番悔しいので、決まっていない今の段階から、できることを見つけてやっていきたい。クレジットカードにはいろんなサービスがあると知り、持てる年齢になったらすぐに持ちたいと思いましたが、その時は、今回の講座で教えてもらった注意点を意識し、心がけて使いたいです。何事も全力で!
○キャッシュレスというのは中学生の自分には関係ないと思っていたし、とても難しそうなイメージだったけれど、交通系マネーで既に使っていたことと、世の中にとってメリットが多いことを知り、キャッシュレスに興味がでてきた。また、駒板さんは1年半でウエブデザイナーの仕事を辞めて今の仕事に就いたとのことだけど、勇気のある決断だと思ったし、若いうちからトライ&エラーを繰り返すことは、積み重なって将来に生きていくことを学ぶことができた。
○私はまだクレジットカードを持てませんが、今のうちにクレジットカードのことを知っておくことはこれから先の自分の人生を豊かにすることに直結していくと思いました。なぜキャッシュレス社会にするべきなのか、なぜキャッシュレス社会が必要なのかなど、キャッシュレス社会を知る前は浮かばなかった疑問が次々に浮かんできました。クレジットカードを作成、発行するだけでなく、売買などで日本を支えている会社でもあることを実感しました。私たちがキャッシュレスの生活で特に気をつけなければならないことなど、すぐ先
にある未来にとってとても良い勉強をしました。
【講師 日本アイ・ビー・エム株式会社 清野薩夫様】
○常に夢を追いかけて「やらされる」のではなく「やってみる」という姿勢で仕事をしているのがとても素敵だと思った。やりたいことを仕事にして、たくさん挑戦して、多くの知識を得ている姿に感心した。私も今の夢を大切にして生きていきたい。また、自分のしたことが人のためになることを意識して、世のためになる人になる。
○お話を聞いて、常に自分に興味のあること、やりたいこと、好きなことを追いかけて行っていることが分かり、とても楽しかったです。私は失敗することを恐れてなかなか挑戦できないときがありますが、今回、子どものころの夢をもち続けることで、気が付いたら叶っているものだという言葉を聞いて、恐れずに経験すること、自信をもてるように力をつけること、素直な心で周りの言葉を受け止めることを心にとめて、あとから振り返って楽しかったと思える人生を送れるように頑張りたいと思いました。
○IBMってどんな企業だろうと思っていましたが、身近にあることが分かって驚きました。お話を聞いて、小さいことから興味があったエンジニアについての学びが深まりました。英語がしゃべれなくてもロボットの専門用語だけで会話ができると聞いて、専門知識のすごさが分かりました。「知識」、「経験」、「素直な心」、私も今から頑張りたい。働かされていると思うのではなく、役に立っているという考え方の方が明るく楽しい人生を送れそうだと思ったので、今後に生かしていきたいです。
【講師 日本公認会計士協会東京会 江黒崇史様】
○黒江さんの話で公認会計士の仕事の難しさと大変さがよく分かりました。話を聞いて、少し難しいと思いましたが、とても重要で、社会に貢献していることもよく分かりました。僕には、人前に立って活躍するような仕事は向いていないと思いますが、話を聞いて、裏で活躍できるような人になりたいと思いました
○今日の講座から、公認会計士になる難しさや、魅力を学びました。また、「AIに仕事を奪われると考えるのではなく、活用する」という考え方にとても共感できました。グローバル対応力やITなど、仕事に大切なことを今から身につけ、自分なりの理由をもって社会に貢献するしごとを目指したいと思います。
○この講座を通して、監査や税務などの公認会計士の仕事とそれにまつわる社会の仕組みなどを学ぶことができました。このような仕事は僕の生活では直接触れることがないので新鮮に感じました。そして、変化を敏感に捉えたり、様々な仕事に柔軟に対応していくことの大切さを知ることもでき、これから社会に出る身として、貴重な経験になりました。