令和元年度第36回未来教室
日 時 | 2019年12月13日(金)13:35~15:10 |
学 校 名 | 杉並区立杉並第二小学校 |
実施学年 | 6年生 3クラス(81名)2グループに分かれて2社の話を聞く |
課 程 等 | 総合的な学習の時間 |
実施内容 | キャリア教育 |
未来教室「働くってなんだ?」 | |
協力企業 | 株式会社竹中土木 |
技術・生産本部 技術開発部 千葉俊二様、菅沼優巳様、技術部 今井政之様 | |
読売新聞東京本社 | |
教育ネットワーク事務局 石橋大祐様 |
「未来教室」に寄せて
6年主任 坪池 学
本校では,これまでの総合的な学習の時間のカリキュラムを再度見つめなおし,学年ごとに通年で取り組む柱(=テーマ)の設定から取り組みました。中学生で行うであろう職場体験のプレ段階として「1日保育士体験」「1日店員体験活動」を新規で開発し,6学年の主たるテーマ「生きるということ」の具現に努めて参りました。
本来ならば,各自で取り組む職業調べや先輩から携わる仕事についての講演などを経て,その先に職場体験があり,学習のまとめという運びが容易に想像つくと思われます。ただ,今回お招きした竹中土木様,読売新聞社様は,その業態からも分かる通り,児童が簡単に体験することは叶わない職種と言えます。また,自然との闘いを通して居住空間を作り出す土木の世界や,新聞記者として取材を敢行し事実を記事とする世界は,児童の日常生活の中でもなじみ深いとは言い難いものであります。ですから,児童の職場体験活動を補完する意義においても,また児童の職業観の視野拡大を図る意味においても,2社を同時に招き,「働くって何だ?」という問いに対する思いを語っていただけたのは,職場体験活動と同等以上の価値をもつものであったと感じています。
以下,授業後の児童の振り返りの一部(抜粋)です。
<「読売新聞社」の授業を受けて>
〇「なりたい自分になって好きなことをする。」という言葉を伝えてもらったとき,私は背中を押されたような気がしました。そして「世の中と繋がっていること」が大切であることを心から学べたように感じました。
〇この話を聞いて,働くということが少しだけ分かったような気がしました。働くというのは人の役に立つし,さらには人と向き合う作業だったらいろいろなことを学んだりもできるいいことだと思うのです。「働くとは何か」を学ぶことができました。
<「竹中土木」の授業を受けて>
〇私は「土木」という言葉や事業についてあまり詳しく知りませんでした。漢字から想像すると,土や木を用いて何かものづくりをするのかなと思ってしまいます。ですが本当は,橋などを作り,私たちの生活を支えてくださっている,かけがえのない存在なのだと知って,とても驚きました。しかも,授業で橋の作り方を詳しく説明し,実際に作るのも体験させていただいて,本当にありがとうございました。
〇ただ仕事の話を聞いているだけではなく,実際に体験を通して授業として成立させていたことをとても興味深く思いました。この授業では,仕事とは人を幸せにもできることをしりました。仕事は人々も自分も幸福にできます。僕も将来就職して社会人となったら,自分も人々も幸せにできる人になりたいと思いました。この世界は,誰もが人を幸福にできる資格を持っていることを知りました。
児童の価値ある学びを引き出したのは,どれも2社の臨場感あふれる講演でありました。実験を伴うことで,児童はその職だからこそ得られるやりがいを肌で感じていました。その様は,言い換えれば職場の疑似体験をさせていただける,極上の価値に満ち溢れたものでした。熱しやすく冷めやすい現代っ子の,ハートを掴んでは離さない魅力に包まれていました。
上述の児童の振り返りは,未来教室だからこそ学ぶことができたのだと,確信しています。
そして,指導者である教員,ひいては学校にこそその専門的分野の第一人者として発揮することが求められている昨今,2社の講義内容とそのプレゼンテーション力は,指導者である私たちにも,日々の授業を顧みるよい機会を提示してくださったことは言うまでもありません。児童にも指導者にも,かけがえのない時間を提供してくださった読売新聞社様,竹中土木様に,心より感謝申し上げます。また,この学習をコーディネートしてくださったおやじ日本の皆様にも感謝申し上げます。この度は誠にありがとうございました。