日  時 2019年7月13日(土)9:45~11:35
学  校  名 杉並区立東原中学校
実施学年 1~3年生 合計7クラス(212名)クラス毎に2社の話を聞く
課 程 等 総合的な学習の時間
授業内容 キャリア教育「生き方を学ぶ講座」~企業の人の話を聞く会~
 1年生「社会で働くことの意味と価値」
 2年生「職場体験学習の事前学習」
 3年生「企業や社会が求める人材(進学や就職に向けて)」
 協力企業 読売新聞東京本社
 教育ネットワーク事務局 石橋大祐様
日本水産株式会社
 CSR部 CSR課 畝尾規子様
ヤマト運輸株式会社
 武蔵野主管支店 安全推進課 田部雄一郎様、黒光祥子様、田村照朗様、

加藤 学様

日本アイ・ビー・エム株式会社
 東京ラボラトリー 清野薩夫様
株式会社JTB
 教育第二事業部 営業第一課 得本 直様
クリフォードチャンス法律事務所
 東 由梨様
三井住友カード株式会社
 マーケティング本部 CX推進部 重田枝里子様

             

「生き方を学ぶ講座~企業の人から話を聞く~」の授業を終えて

 

1年(A組・B組)担任

今回、1学年では読売新聞と日本水産の方に講義をしていただきました。
新聞の購読率が下がっている昨今、実際に新聞を作成する立場にある方からご講義いただけたことは、生徒にとって大きな学びにつながったと思います。新聞記事を読んで見出しを付けるという作業は、難しく感じた生徒も多かったようですが、皆一生懸命取り組んでいました。1つの記事の内容を途中で区切ったものに見出しを付けましたが、どこまで記事を読むかで見出しや印象が大きく変わるということを学べたのではないかと感じます。また、新聞だけでなく、「仕事をする」ということについてもお話いただきました。
生徒が驚いていたことは、「読売新聞に入りたかったわけじゃなかった。だけど、なりたい自分になれている」という部分でした。生徒の意識として、「やりたいこと」を優先し、苦手なことや嫌いなことは敬遠しがちですが、「苦手だと思っていたけれど、やってみたら以外にできた」というお話をいただき、日々の生活を見直すきっかけとなったのではないかと思います。また、「嫌いだから、苦手だからと言って、取り組まないのはもったいない」という趣旨のお話もいただきました。
今後の学校生活や社会生活を営む上で大変重要なお話をしていただけたと感じています。
今回のお話を生徒が自身の生活に還元しよりよい生活や進路選択に生かしてくれることを期待します。

日本水産は畝尾様に講義をしていただきましたが、生徒たちも冷凍食品の会社がニッスイとわかり身近に感じたようでした。講義の中で、ニッスイには営業・研究・生産管理など様々な職種があること、それらの専門性に特化するということも大切だが、その専門性を応用して自分の型を破り、いろいろなフィードルで活躍したいと思えるかなど、映像資料も効果的で生徒たちの興味と関心を引き夢中で聞いている姿がみられました。生徒たちの感想にも書いてありましたが、①いろんなことに興味をもって(興味) ②誰にも負けない強みをみつけて(強み) ③全ては誰かの仕事でできているということを知って、働いている人に感謝する(ありがたみ)の3つの「み」は一番心に響いているようでした。実際の仕事内容や、仕事に取り組む姿勢・やりがいや喜びを生で聞かせていただきありがとうございました。生徒たちの未来の進路選択にも幅が大きく道が開けたと思います。

生徒の感想文から(抜粋)

《講師:読売新聞東京本社 石橋大祐様》

○貴重なお話をきかせていただき、ありがとうございました。新聞に題名をつける検討の時に、全然思いつかずに迷っていたら、石橋先生から「とりあえず何でもいいからつけてみて」と言われて、思いつくことをとりあえずつけようと思い、つけてみました。この時僕は、「何でもチャレンジしてみよう!」ということだなと思いました。先生が言っていたことはこれからの生活に生かせることばかりだったので、これから気をつけていきたいです。
○新聞記者、人生・社会の先輩として僕らに素晴らしいお話をしていただきました。僕は父がつとめているシステムエンジニアになることが小学校3年生頃からの夢でした。「最終的になりたい自分。どんな自分かな?」と考えると、よいことばかりの人生を想像してしまっていました。しかし、今回の授業で「人生、社会の道は甘くない!」というお話を聞いて、ハードルを下げるわけではないのですが、もっと真剣に一度限りの人生について考えようとようと思いました。お話を聞いたおかげで人生をもう一度見直せたと思います。
○私は今まで新聞に難しいイメージがあって、見ていたのはテレビの番組表くらいでした。ですが、今日のお話を聞いて、ちょっと真剣に読んでみようと思いました。「自分の人生をよくするには、自分のためになる話をよく聞き、情報をたくさん集める」、これが大事で、このために新聞が必要だと分かりました。今日の貴重なお話で、このことに気付けてよかったです。

《講師:日本水産株式会社 畝尾規子様》

○私は今、色々なことで悩んでいて、「これからどう生きていくか」などを考えていました。今日の話にあった、「色々なことに興味をもとう」「だれにもまけない強みを持とう」というのは、すごく今の私に投げかけられている気がしました。私はこれからたくさんのことに興味をもって、そこで見つける何かを私自身の強みに変えていきたいと思いました。今日はとてもありがたいお話をありがとうございました。
○お話を聞いて、強みをみつけるという言葉を意識して生活したいと思いました。私は将来、看護師になりたいと思っています。私の今の強みは、初めて会った人と仲良くなれたり、話しかけたりすることができるということです。この強みを生かしていけるといいなと思っています。畝尾先生のお話はとても納得できることが多く、先生の仕事にも興味をもつことができました。これからは一つ一つの仕事に感謝し、いつか社会の一つの輪に入るときには人に感謝してもらえるよう努力していきます。
○日本水産という会社はCMで何となく知っていていた程度ですが、焼きおにぎりの作られ方を聞いて、思っていたよりもずっと多くの人が関わって作っていることを知り、すごくおどろきました。また、3つのメッセージは、これからずっと忘れずに大切にしたいです。今まで興味がなく全く関わってこなかったことも、未来の自分につながってくることもあると思うので、「関心をもつ」ことを忘れず、ずっと大切にしていきたいです。「人に負けない何か」をしっかり考え、極めていけたらいいなと思います。

2学年担任一同

2学年ではヤマト運輸、日本IBM、JTBの3社の方に講義していただきました。2学年は9月に職場体験を控えており、事前学習として企業の方々のお話を聞く機会が持てることは大変意義深いものでした。
ヤマト運輸の田部様、黒光様からはお仕事の概要とお客様とのやりとりのなかで感じたやりがいについてスライドを交えながら分かりやすくお話して頂きました。生徒は荷物の取り扱い個数とそれに携わる人の多さにびっくりし、またどんなことを目指してやってらっしゃるのかよく分かったと思います。私もトレードマークのクロネコの親子に代表される優しさが、お話の中にもビデオのなかにも沢山あったなと感じました。
日本IBMの清野様からはお仕事の概要と沢山の経験を様々な事例を交えながら、楽しくお話し頂きました。最近では身近な製品にIBMの名前を冠したものが少なくなり、生徒たちはイメージしづらいかなと思いましたが、ゲーム機や実際の半導体を見せて頂き興味深く聞いていました。お話全般で「夢をあきらめないこと」や「そのために必要な努力について」熱く語って頂き、強く印象に残りました。
生徒たちは、職場体験に向けて「働く」ことに対しての興味・関心を持ち始めています。今回、様々な職種や仕事内容を理解することが大切だと認識し、「働く」ことの大変さだけでなく面白さや意義にも触れることが出来ました。

JTBの得本直様からJTBの沿革や歴史、人気海外・国内旅行の国や地域についてスライドを交えながら分かりやすくお話して頂きました。人気の国や地位については、ランキングのクイズ形式で行われたため、生徒は興味・関心をもって参加していました。自分の知っている都道府県や行ったことがある地域の中から考えて答えていました。また、JTBが行ってきた事業の中で、ユダヤ人難民の受け入れの手伝いということがあり、生徒からは「JTBは旅行のイメージが強かったけれど、初めて難民受け入れの仕事もしていたのだと知った」という意見が数多く聞かれました。また、JTBを含めた3大旅行会社の従業員数や売上高なども比較して教えてくださいました。生徒は初めて聞いた旅行会社名もあり、大変よい学びになりました。今回、様々な職種や仕事内容を理解することが大切だと認識し、「働く」ことの大変さだけでなく面白さや意義にも触れることができました。
今後学校では積極的、主体的に物事に取り組む意欲を育て、「生き方と学ぶ」授業を生かし、将来の生徒自身の進路選択が充実したものなるように支援していきたいと思います。貴重なお時間を本校の生徒のためにさいて頂き、ありがとうございました。

生徒の感想文から(抜粋)

《講師:ヤマト運輸株式会社 田部雄一郎様、黒光祥子様》

○荷物が翌日届くということを聞いて驚きました。今までは荷物が何日で届くのかなどあまり気にしていなかったので、最初に疑問に思ったのはどうやって運んでいるのだろうかということでした。今回、荷物の運び方の話を聞いて、とても人の役に立っている仕事だと思いました。雨や雪の日でも荷物を届けたり、近いところは自転車や台車など、排気ガスを出さないように、環境に配慮していると聞き、すごいと思いました。荷物を届けるのは人の気持ちを届けることだと聞いて、仕事のやりがいを感じました。
○とても暖かい講座でした。荷物だけでなく、その人の心・気持ちまで運んでいて、とてもやりがいのある仕事だと実感。受け取る人が温かい人や優しい人だと自分までとても温かくなります。最後に見たドライバーさんのビデオを見ていて、後半は泣きそうになりました。正直、変な人がいて、めちゃくちゃクレームがくるのではないかと思っていたのですが、そうではなく、やりがいもあって、スタッフの人の温かさを知るとてもよい機会になりました。
○宅急便は身近なものだけど、意外と知らないことも多くて、とても勉強になりました。想像以上に規模が大きくて、すごい会社なんだと思いました。出した荷物が届くまでの映像を見て、分かりやすかったし、宅急便が翌日届くのはいろいろな人がいろいろの努力をしているからだと知りました。仕事のやりがいについての話のとき、エピソードに感動し、「ありがとう」の言葉の大切さを改めて考えました。この授業で聞いたことを生かして職場体験学習を頑張っていきたいです。

《講師:日本アイ・ビー・エム株式会社 清野薩夫様》

○とても楽しい授業でした。働かされるより、役に立つ!とても共感しました。夢はたくさん持っていていい、と成功者から聴いて、夢は捨てるもんじゃないと実感しました。父も言っていたのですが、何事も経験してみることが大事だと思いました。お話に説得力があって、これからの自分のことや夢について考えるいい機会になりました。素直に人の話を聞いていて自分も助けられたことがあるので、素直に人の話を聴いて「そん」はないと思ったし、自分の夢に向かって今日も頑張ろうと思いました。
○子どもの頃からいろいろな興味をもつことが大切だと思いました。私は失敗したくないという思いが強いけれど、お話を聴いて、失敗を恐れずにやることが大切だと思いました。また、知識があるということはとても格好いいと思ったので、これから、本を読んだり、たくさんの経験をして、好きなことについての知識を身につけたいと思いました。私は授業で先生の話が分からないと聴かなくなるくせがあるので、これからは素直に聴くようにします。
○今回の会を通して、経験することの大切さや何事も試してみることの大切さを感じた。ゲームキューブやWiiなど、なじみのあるゲーム機の半導体を作っていると知った時はこの職業が少し身近に感じられ、興味が湧いた。生で半導体に触るという貴重な体験ができ、また、清野さんのリアルな人生談から、素直になるということや経験することの大切さを実感することができた。今回体験したことは将来に活かしていきたい。

《株式会社JTB 得本 直様》

○ぼくは、JTBという会社に長い歴史があり、いろんな仕事があることを初めて知って、とてもびっくりしました。JTBのなかのいろいろな仕事のひとつのなかに修学旅行も入っていることが分かった時、すごく身近な会社だと感じました。ユダヤ人を救出したりするなどの歴史に残ることをしていたことも分かったが、話を聞いて、太平洋戦争のことが知りたくなりました。
○旅行会社はただチケットを用意するだけかと思っていたけど、中学生の修学旅行に同行したり、ライブなどのイベント、オリンピックのチケットなど旅行と全然関係ないと思われることまでやっていてすごいと思った。スライドで説明してくださっただけでなく動画もあってとても分かりやすかった。将来もしJTBで働くことができたら、好きなライブに同行できそうでいいなと思ったが、入社試験が難しそうで大変だなと思った。
○日々テレビやCMでよく見る旅行会社に、いろいろな工夫や知識があり、このような企業や人々のおかげで観光がなりたっているのだと感じた。「感動のとなりに、いつも。」というフレーズを聞いたが、長い歴史があるJTBだからこそ、とてもマッチしているのだと思った。日本の誇るべき歴史にJTBの方々が関わっていることにとても驚き、多くの人がつながっていることを改めて感じた。

3学年担任

3学年ではクリフォード法律事務所と三井住友カードの方に「働くことの意味と価値」について講義していただきました。3学年は受験を控えており、企業の方々のお話を聞く機会が持てることはたいへん意義深いものでした。今までの教員の指導や説明、ワークシートでの事前学習とは違って、生の声を聞けたことやインパクトのある映像資料で、働くことへの興味・関心を高めることができました。
どちらの企業の方も働くということの根底には「人のために」ということがあり、それがやりがいや仕事を続けていくことにつながっていることを再確認できました。職種は違っても、取り組む姿勢や考えには「仕事」というものに対する共通点があるように思いました。仕事の内容についても詳しく学ぶことができ、大変勉強になりました。クリフォード法律事務所のお話の中で東先生の涉外弁護士としての大変さや苦労など、仕事のやりがいや喜びを教えていただけたように思います。また、三井住友カードの方のお話では、お金の大切さやクレジットカードのメリット、デメリットを教えていただきました。実際の仕事内容や、現場でのかける思い、やりがいについてお話を聞き、誇りを持って生き生きと仕事をすることの大切さも教えていただけたように思います。
生徒たちは、「働く」ことに対しての興味・関心だけでなく、様々な職種や仕事内容を理解した上での進路選択や将来自分の理想とする職業に就くためには中学校3年間の学びが大切だと再認識し、積極的、主体的に物事に取り組む意欲の向上に繋がったように思います。当日の生徒たちの反応は、初対面のためか、はじめはやや緊張気味でしたが、お話を聞くうちに驚きや好奇心を素直に受け止めていたようでした。感想の中でも、お話をいただいた職種に興味がわき、進路選択の幅が広がった生徒も多かったように感じられました。

 

生徒の感想文から(抜粋)

《講師:クリフォードチャンス法律事務所 東 由梨様》

○私はドラマが好きで、弁護士のドラマもよく見るのですが、ドラマの中の弁護士は裁判所で争っているようなイメージだったので、裁判所の外で活躍している弁護士がいると知って驚きました。ビジネスに弁護士の力が加わることでいろいろなことがスムーズに進むことも分かりました。英語で仕事をしたり書類が作れたり、本当にたくさんのことができる弁護士の仕事のことが分かりました。私は弁護士には向いていないと思いますが、誰かの役に立てる仕事についてみたいと思いました。
○私は小学生の頃から弁護士になりたいと考えていました。少しだけですが調べたこともあります。これまで調べ切れなかったことや分からなかったことを今回の講座で聞けたので、とてもよかったです。また、普通ではなかなか聞けない「現場の声」を聞けたことも、将来の私にも関わることになると思うので、今後の就職先を決めるときに今回の話を思い出したいと思います。
○私は今まで法律という言葉を聞くと、少しかたいイメージがありました。ですが、今日、詳しいお話を聞いて、興味がわきました。ドラマで見ていたとおりのイメージでもあり、実際に職場を見てみたくなりました。東先生は中学生のころは弁護士になりたいとは思っていなかったとおっしゃっていました。私もこれから先、どこでどのような仕事につくかは分かりませんが、職業のことを考える際、弁護士の仕事のことも頭におきたいと思います。

《講師:三井住友カード株式会社 重田枝里子様》

○私は使ったことはないけれど、親が使っているのを見ていて「とても便利そうだな」と思っていました。そのカードにもいろいろな種類があること、それぞれ便利なところと気をつけなければいけないことがあると聞いて、少し不安になりました。今は小遣い帳もつけておらず、お金の管理も苦手だけれど、将来は自分で調節していかないといけないので、今から少しずつ知識を増やし、どのようなカードが自分に合っているのかを見極めたいと思いました。
○キャッシュレスやスマホ決済などが大きな話題になっているので、今回の講座でカードのことなどを知ることができてよかったです。特に、クレジットカードの良いところ、気をつけなければならないとことも教えてもらってよかったです。将来カードを持つようになった時にこの講座で学んだ大切なことを思い出したいと思います。私はお小遣いをもらっていますが、お小遣い帳はつけていないし、使いすぎてしまうこともあるので、将来のことも考えて、今のうちからちゃんと金銭の管理のできる人にならなければいけないと痛感しました。
○ 今回、私達のためにカード会社のこと、そこで働いている人の仕事のことを教えていただきました。カード会社のことをあまり知らなくて、カードを売ったりしているだけだと思っていたのですが、カードの企画やコールセンターなど、色々な仕事をしていることが分かりました。私はクレジットカードのことを知りませんでしたが、お話を聞いて、カードの長所や短所を考えることができました。お金を大切によりよく使える大人になりたいと思いました。