日  時 平成29年6月30日(金)13:25~15:15
学  校  名 府中市立府中第五中学校
実施学年 2年生 5クラス(172名) 各クラス2企業の話を聞く
課 程 等 総合的な学習の時間
授業内容 職業講話「世界で活躍されている企業人に学ぶ」
協力企業 東レ株式会社
    CSR推進室 川勝淳二様
読売新聞東京本社
    編集局教育部 源 一秀様
日本アイ・ビー・エム株式会社
ソフトウエア&システム開発研究所 クラウドソリューションサービス
一柳昌子様
株式会社ゼンショーホールディングス
     人事部 人財開発課 塚原康介様、鈴木裕美様
     グループ経営本部 関連企業室 田中正之様
清水建設株式会社
     国際支店企画部 井上祐司様

          

職業講話「世界で活躍されている企業人に学ぶ」

第2学年学年主任 岩井陽子

 本校では6月30日に、世界で活躍されている企業人を講師にお招きして、2年生を対象とした職業講話を実施しました。講師の皆様には生徒たちに「世界で働くことの面白さや難しさ」や「働くことの意義」等を丁寧にご指導いただきました。
生徒たちにとって「働くこと」と「世界」はまだまだ遠い世界のことであり、これをいかにして生徒たちに伝えていくかが今回の課題でした。生徒たちは普段なかなか聞けない貴重なお話を聞くなかで、「世界と自分」、「働くことと自分」の距離が縮まったように感じられます。また、講師の皆様の職業に対する熱い気持ちは生徒たちに大きな刺激になったようで、生徒それぞれの感動や気づきを感想文から読み取ることができると思います。
今回の取組みは本校にとって初めての試みあり、事前の指導など至らない点も多々あったと思います。講師の皆様のご意見を踏まえて、今後の指導に役立てて参りたいと思います。職員一同厚く御礼申し上げます。ありがとうございました。

生徒の感想文から(抜粋)

《講師 東レ株式会社 川勝淳二様》

○今回のお話の中で、私が一番面白いと思ったのは、敵と味方についてです。世界で働いていれば必ず敵・味方がでてきます。その中で相手が敵か味方かを見分ける時、ご飯を一緒に食べることだと聞いて、「確かに」と思いました。世界で働くうえでは人を選ぶことが重要だということもよく分かりました。また、長所をのばすというお話しも大切だと思いました。短所は気にせず長所を見つける。簡単そうで難しいことですが、お話を聞いて、プラス思考で有利な方向に持っていくことが大切だと思いました。

○今回のお話で学んだことがいくつかあります。1つ目は、どんな理由でも、夢を持つことは大切だということです。川勝さんの夢の理由は「パスポートを真っ黒にしたいから」でした。それでも夢は叶っているし、今ではとてもすごい方になっています。私にも夢がありますが、これ以外にも小さくてもいいから「たくさんの夢を見つけたいな」と思いました。2つ目は、「学歴は関係ない」です。私は、勉強が上手くいかず頑張っても結果が出なかった時、すごく落ち込んでしまいます。でも、お話しを聞いて、勉強も大事だけど、あいさつなど人とのコミュニケーションが大切だということが分かりました。勉強も頑張りつつ、当たり前のことをもっと当たり前にできるようにしたいと思いました。

○今回の講話までに僕たちは新聞を作って日本と海外の働き方の違いについて調べてきました。調べてみて、日本には良いところ、悪いところなどたくさんありました。今回の講話はその応用のような感じで聞きましたが、その中で面白い話がありました。それは講師の海外での体験についてです。なかなか海外に行った人の話は聞けないので、大変ためになりました。特に面白かったのは「Help me」の大切さです。僕も日頃から使うことがあって大切だと共感できたからです。お聞きしたことを2学期の職場体験に生かしたいと思います。

 

《講師 読売新聞東京本社 源 一秀様》

○今回のお話で心に残ったことが2つあります。1つ目は、国の悪いところを見て嫌いになるのではなく、良いところを見つけて好きになろうということです。うわさやイメージなどでその国を知ったつもりになって、好きか嫌いかを決めるのではなく、自分でその国をくわしく調べて好きになろうと努力することが大切だと思いました。2つ目は、海外に出たときに自分の国を尊敬していない人は軽く見られる、ということです。もし海外に出た時に外国の人からそう思われないように、今からちゃんと日本の良いところをたくさん調べて知っておこうと思いました。今回学んだことは大人になったら生かしていきたいです。

○源様のお話しはどれも大変興味深いものばかりでしたが、特に印象に残ったのは、子どもなのに貧困で学校にも行けず、朝から晩までゴミ拾いをしている現場や、いつ自分が撃たれてもおかしくないような危険な現場のお話です。これを聞いて、私は「そんな危ない場所に行って絶対にこわいはずなのに、それでも読者に伝えるために取材するなんてすごいな。」と思いました。私も大人になっても“真実を求める心”を忘れずに生きて行きたいと感じました。今回伺った貴重なお話は職場体験やこれからの将来に生かして行きたいと思います。

○私は今回の職業講話で、改めて働くとは何かについて考えさせられました。源様が読売新聞東京本社でどのようなお仕事をされているのか分かりました。お話を聞いて最も学習でき、考えさせられたことがあります。それは世界には色々なことがあり、人がいて、ひとつのことでも考え方、価値観が全然違うということです。これは、私が通っている五中でも一人ひとりの考え方が違うことを感じていたので共感できました。が、世界ではそれがもっと違うことを知り、正直、そこまで違うと思っていなかったからとても驚きました。日本人をきらう人も多いということも少し衝撃的でした。日本には日本好きの外国人や、日本人と外国人が仲良くしているところをテレビで見ていたからです。少しショックでしたが、源様から日本人が日本のことを誇りに思うことが大切だというお話しを聞いたとき、本当にそうだなと思いました。

 

《講師 日本アイ・ビー・エム株式会社 一柳昌子様》

○今回の職業講話は、改めて「仕事」というものの大変さ、大切さを感じさせられる貴重な時間になりました。講話の中で私が一番興味をもち、驚いたのは、海外との話し合いの際に今ではテレビ電話を使っているということです。テレビ電話で外国と連絡するなど時差を超えての仕事はとてもやりがいがありそうだと思いましたが、会社の規模が大きくなればなるほど工夫しなければならない所が多くなり大変そうだなとも思いました。講話の最後に伝えてくださったように、これからは、今の自分に合った価値観、感覚を大切にし、今回の貴重なお話を思い出しながらやっていきたいと思います。

○今回の講話を聞いて、特に印象に残ったのは「海外で働くことによって色々な見方が増える」ということです。確かに、自分の国だけでは同じ方向にしか進みませんが、海外で他の国の働き方を知ることによって、仕事の効率が上がると思いました。また、これから自分の仕事を探すうえで「広い視野で見ることが大切」ということが分かりました。自分はあまり職業を知らないので、自分の興味がある仕事以外にも多くの仕事を調べたいと思いました。今回の講話で聞いたことを生かして「働くとはどういうことか」を見つけていきたいと思います。

○今回お話しいただいた内容は、全て、とても印象に残りました。日本と海外でテレビ会議をしていることなど、とても驚くことが多かったです。なかでも私の印象に残っているのは「仕事はやりたいことをやる」というお話しです。私は、「仕事は大変なものだ」と思っていました。でも、お話しを聞いて、やりたいことや好きなことを仕事にすることもできるんだと感じました。なので、私が大人になって仕事をする時には、お話にあったように、やりたいことを仕事にできればと思います。今回のお話は、これからの職場体験や学習に生かしていきたいです。

 

《講師 株式会社ゼンショーホールディングス 塚原康介様、鈴木裕美様、田中正之様》

○お話の中で私が特に興味をもったのは、仕事をする上での他国との文化の違いです。普段は特に感じることのない「文化」についてのお話を聞いて、世界で働くということの大変さ、そして世界のことを深く知ることができるという面白さがあることが分かりました。また、企業理念である「飢餓、貧困を撲滅する」ということがとても心に響きました。以前、「道徳」の授業で飢餓や貧困について勉強しました。私は、そのことを知った時、自分の生活を振り返ることができ、飢餓、貧困は必ず減らしていかなければならないと思いましたが、今回のお話は、改めてそのことについて考える良い機会になりました。

○僕はこの講話で心に残ったことがたくさんありました。そのなかでも世界人口の3分の1は十分な食事がとれていないという事実です。この話を聞いた時はとても悲しい気持にもなりましたし、こんな僕でも力になりたいとも思いました。何の数字かというクイズはとてもおもしろかったし、田中さんの話から自分のこれからの人生にとって重要なことを知ることができました。学校の中で一番の恵みの時間は給食です。特に白米はとてもおいしいです。講話を聞いて、こんなにうまいものを食べられる日本に生まれた幸せと、世界の食事の事情を意識して生活して行きたいと思いました。

○私は、お話の中で、「どんな仕事にも意味がある」という言葉が心に響きました。2学期の職業体験では、この仕事にはどんな意味があるのかなど、5日間を通して探してみたいと思います。また、ゼンショーホールディングスは世界のみんなに牛丼を食べてもらうためだけに海外に進出しているのではなく、世界から飢餓と貧困をなくしていくためでもあることが分かり、すばらしいと思いました。お話を聞く前は海外で働くことに興味はなかったけれど、お話しを聞いて、海外で働くことについてもう少し知ってみたいと思うようになりました。

 

《講師 清水建設株式会社 井上祐司様》

○今回の講話で特に興味をもったことは、国によって仕事の文化が違う、「多様性」ということです。最初は当たり前だと思っていましたが、お話を聞いていくうちに、その国の文化をしっかり受け止めて、最初からだめと決めつけず、その国の考え方に沿って別の視点でも考えてみることが大事なんだなと思いました。「論理的な考え方」が世界の人たちを相手にするうえでとても大事だともおっしゃっていました。これは特に私たち若者に足りないと思うので、常に「なぜ?」と考えるようにしていきたいと思いました。

○お話しを聞いて印象に残ったことは、日本と外国での仕事のスタイルの違いについてです。クイズで「メキシコでは・・・」、「アメリカでは・・・」など、国によって仕事のやり方や働くことの考え方が大きくちがっていることに、驚きました。集合時間に30分遅れても当たり前の国だったり、他の国では言い訳が多かったり。日本人が外国に行った時はそれぞれの文化に従わなければいけないというのは大変だなと思いました。グローバルに働くというのは誰もが簡単に出来る訳ではないと思うけど、私は、やり方一つで変わるものだと思っています。外国には日本とちがう文化や生活スタイルがあるけれど、グローバルを意識して行動するとうまくやれるということです。

○お話しを聞いてとても勉強になりました。海外での建設の仕事の話で特に印象に残ったのは、グローバルに働くというということについてです。その話を聞いて思ったことは、英語が出来ても仕事が出来る訳ではないということです。対等に仕事をするには論理的思考力が必要だということが分かりました。海外での仕事について話を聞く機会はなかなかないことなのでうれしかったし、前よりも海外で働くということについての興味をもちました。