平成27年度第7回未来教室
日 時 | 平成27年7月11日(土)9:45~11:35 |
学 校 名 | 杉並区立東原中学校 |
実施学年 | 1年生~3年生 各学年2クラス(合計176名)クラス毎に2社の話を聴く |
課程等 | 総合的な学習の時間 |
授業内容 | 「キャリア教育」(企業人の話を聞く会) |
協力企業 | 東日本旅客鉄道株式会社 |
東京支社 総務部企画室 新野様 | |
コクヨ株式会社 | |
経営管理本部 広報室 久保秀喜様 | |
ヤマト運輸株式会社 | |
埼京主管支店 井草支店 入澤夢仁様、黒沢正人様 | |
株式会社 ディー・エヌ・エー | |
システム本部 カスタマーサービス部 河野慶一様 | |
パナソニック株式会社 | |
CSR・社会文化グループ 事業開発室 山口大輔様 | |
株式会社 幻冬舎 | |
編集・出版本部第三編集局 編集第一部 長濱 良様 |
「生き方を学ぶ~企業人から話を聞く~」の授業を終えて
第1学年
主任 相川 宣仁
本校では、1年生で「職業レディネステスト」、「身近な人の職業調べ」を実施し、2年生で「職場体験学習」、そして、3年生で自分の進路について考えていきます。第1、第2学年では「職業」という先の目標について考える機会が多く、その中で「なぜ仕事をするのか」ということへの学習がとても大切になります。
1年生の授業では、コクヨ㈱と東日本旅客鉄道㈱の方の話を聴きました。企業理念や仕組などについてはまだ1年生には難しいようでしたが、具体的な製品開発のお話や、どんな思いで仕事と向き合っているのかというお話には、仕事に携わっている方の熱意も伝わってきて、生徒もよく聞いていました。
生活するため、お金を儲けるためだけに仕事をしているのではない、ということを1年生が知るよい機会になりました。2時間目の授業ではどちらのクラスも質問や発言が多く、和やかな雰囲気の中で学ぶことができました。
仕事に向き合う姿勢は、中学校での係活動や委員会活動でも同じようなことが言えます。これからの生徒たちの活動に生かしていければと考えています。
第2学年
主任 中井 康二
第2学年では、ヤマト運輸㈱と㈱ディー・エヌ・エーの方に「働くことの意味と価値」について話をしていただきました。2学年は9月に職場体験を控えており、事前に企業の方々の話を聞く機会が持てることはたいへん意義深いものでした。今までの教員の指導や説明、ワークシートでの事前学習とは違って、企業人の生の声を聞けたことやインパクトのある映像資料で、職場体験や働くことへの興味・関心をさらに高めることができました。
どちらの企業の方も働くということの根底には「人に喜んでもらいたい」ということがあり、それがやりがいや仕事を続けていくことにつながっていることを再確認できました。職種は違っても、取り組む姿勢や考えには「仕事」というものに対する共通点があるように思いました。仕事の内容についても詳しく学ぶことができ、大変勉強になりました。ヤマト運輸のお話の中の「真心を届ける」というモットーのもと、その大変さや苦労を超えた仕事のやりがいや喜びを教えていただけたように思います。また、「DeNA」という社名は野球では知っているものの会社については理解していない生徒が多かったのですが、仕事内容や、かける思い、やりがいについてお話を聞き、誇りを持って生き生きと仕事をすることの大切さも教えていただけたように思います。
生徒たちは、「働く」ことに対しての興味・関心だけでなく、様々な職種や仕事内容を理解した上での進路選択や将来自分の理想とする職業に就くためには中学校3年間の学びが大切だと再認識し、積極的、主体的に物事に取り組む意欲の向上に繋がったように思います。当日の生徒たちの反応は、初対面のためか、はじめはやや緊張気味でしたが、お話を聞くうちに驚きや感動を素直に受け止めていたようでした。感想の中でも、お話をいただいた職種に興味がわき、進路選択の幅が広がった生徒も多かったように感じられました。
第3学年
担任 原田 真帆
第3学年では、㈱幻冬舎とパナソニック㈱の方々から、「働くこととは何か」について、具体的な仕事内容とともにお話をいただきました。
現場の生の声を聞く貴重な機会に、生徒たちも真剣に聞き入っていました。進路選択を迎えた今、自らと重ね合わせながら話を聞いた生徒も多かったように思います。その中で「社会貢献」や「人に喜ばれる」などのキーワードが、生徒たちの心に強く残ったようでした。また、仕事にかける溢れる思いが、たとえ困難なことがあっても乗り越えようとする力に変わっていくことも理解できました。将来の夢については、まだ考えている途中という生徒が多いですが、今回のお話で、いずれ自分たちが社会に出ていくこと、そして働くということが再認識され、その気持ちを新たにしたことと思います。更に、それぞれの夢を達成するためには、今目の前にあることを大切にするべきという的確なアドバイスもいただきました。
あいさつなどの基本的習慣を見直すことに加えて、日々のチャレンジ精神や自主性、また社会情勢の変化に対応できる力を育めるよう、今回のお話を今後の生徒たちの活動につなげていければと思います。
生徒の感想文から(抜粋)
第1学年
《講師 コクヨ株式会社 久保秀喜様》
○キャンパスノートなど学校で使用している文具がたくさんの工夫がなされて私たちのもとに届いているのだと分かりました。私は将来、工業デザイナーになり、文具を作りたいと思っているので、とても楽しい授業でした。
○細かい工夫を重ねることでより使いやすく、壊れにくい物にしていることが分かりました。また、異なる考えの人と共有することが、仕事で大切だということも理解できました。
○お話を聞いて、商品を通じて世の中の役に立つということ、相手の考えを理解すること、最初から否定しないこと、いろんな人と出会い物事を伝えることなど、社会人のことや仕事についてのいろいろなことが分かりました。
《講師 東日本旅客鉄道株式会社 新野様》
○ぼくは、働くということはただ金をかせぐための労働だと思っていましたが、働くということにもいろいろな義務や責任があると知って、「働く」ことが大変だということが分かりました。
○普段利用しているJRの電車をかげでたくさんの方々が支えていることや、そのおかげでいつも安心して電車に乗れていることが分かりました。また、スイカになって便利になり、環境にもよくて、すごいと思いました。
○ぼくらが普段乗っている電車にも安全、安心、環境、便利を追求したことがなされていると知りました。鉄道や会社についての知らない知識が増え、また、社会人としての生き方も学べました。
第2学年
《講師 株式会社ディー・エヌ・エー 河野慶一様》
○お話を聞いて、一つのゲームがたくさんの人が考え、色々な人の気持ちが入って完成するのがとてもよく分かり、ゲームができるすごさを感じました。私も自分の考えをもち発言できるようにして、いつかは誰かが喜んでくれるようなものを作ってみたいと思いました。
○身近にあるアプリがどのようにして作られているかを知って、少し違った目線でもっと楽しく活用することができます。今しておかなければならないことなども知れて、大変勉強になりました。
○DeNAさんの目指していることが「世界に喜びと驚きを!」ということに驚きました。見せてくださった動画で、社員は誰もが自分の仕事にほこりを持っていきいきしていることが伝わりました。私も自分が輝ける仕事を職に持ちたいです。
《講師 ヤマト運輸株式会社 入澤夢仁様 黒沢正人様》
○お話を聞いて、1つの荷物を運ぶにもたくさんの人が関わり、1日だけで届けるのはすごいことだと思いました。荷物を届けたら感謝をもらえて、笑顔になる。すごく良い、大きな仕事だと思いました。仕事の大切さや楽しさを教えてくださり、本当に感謝です。
○今回の授業を通して「働く」ということに対する喜びややりがい、そして楽しさなどが分かりました。将来、自分が職を選んでいく中で、参考にしたいと思います。
○説明も映像もとてもわかりやすく、ヤマト運輸さんは物を運んでいるだけではなく、真心も運んでいると感じました。とてもいそがしそうでしたが、とても楽しそうに仕事をしていると思いました。
第3学年
《講師 株式会社幻冬舎 長濱 良様》
○私は本が好きなのですが、今回の話を聞いて出版社や本の編集にも興味が出てきました。また、あいさつなどの当たり前の礼儀がどんなに大切かもよく分かりました。この学校はあいさつが盛んなので、もっと広めていきたいと思いました。
○出版社はやりがいのある仕事だなと思いましたが、何が売れるのかを考えながら仕事をしていかなければならないので大変だなと思いました。「正面突破」という言葉がありましたが、とてもいい言葉なので、僕もいろんなことにチャレンジしていきたいと思います。
○編集者の方がどんなお気持ちで仕事をされているかを知れてよかったです。私はあまり本を読まないけれど、お話を聞いて、少し興味を持つことができ、本に興味を持つことは沢山のことを知るきっかけになるなと思いました。
《講師 パナソニック株式会社 山口大輔様》
○お話を聞いて、できないと諦めないで、時間をかけて、考え方を変えて、人を集めてみんなでがんばってみようと思いました。色々なことにチャレンジして、人にありがとうと言ってもらえるような仕事ができる人間になりたいと思いました。
○パナソニックの仕事は物をつくって売るだけだと思っていたけれど、たくさんの役割があってすべての人々の生活を豊かにするんだなと思いました。また、グローバル化の中では英語が大切だと分かったので、がんばりたいです。
○お話を聞いて、チャレンジが大事ということを学びました。会社は人に喜ばれるためにあり、社会に貢献するためにあるから、将来会社に入ったときはそのことを大事にして、失敗を恐れずに困難を乗り越えていこうと思います。