日  時 2022年6月9日(木)13:35~15:25
学  校  名 渋谷区立松濤中学校
実施学年 1年生 3クラス(99名) クラス毎に実施
課 程 等総合的な学習の時間 シブヤ科
実施内容 職業人の話を聴く教室「SDGsに対する企業の取組み」
協力企業 読売新聞東京本社
教育ネットワーク事務局 石橋大祐様
株式会社ゼンショーホールディングス
  人事部 人財開発課 西山春希様
 東レ株式会社
 CSR推進室 中嶋 環様

職業人の話を聴く教室(「SDGsに対する企業の取組み」)で学んだこと

第1学年主任 大島幸男

昨年度の第二学年の「職業人に話を聴く教室」に続き、今年度は第一学年で行っていただきました。昨年度は新型ウイルス感染症予防の為、体育館などの広い場所に分かれて行いましたが、今年度は新型ウイルス感染症も落ち着きを見せている為、各教室で実施しました。

実施日の迫っている中でのお願いにもかかわらず、読売新聞東京本社、ゼンショーホールディングス、東レ株式会社の3社の方にお話をしていただくことが出来ました。

今回はSDGsに取り組んでおられる企業ということでお願いをしました。本校は総合学習のテーマにSDGsをあげており、各学年で取り組んでいます。また、一か月後には職場体験が計画されている為、その一環として今回の教室が計画されました。

読売新聞東京本社 教育ネットワーク事務局 石橋様には記者としての経験を交えてお話をして頂き、生徒の好奇心を引き出していただきました。その為、生徒の質問も実社会での疑問や踏み込んだ質問が沢山飛び出し時間をオーバーしてしまうほどでした。

ゼンショーホールディングスの人事部 人財開発課 西山様からは様々な店舗を展開している企業としてのSDGsの話を具体的にしていただき、今回の主たる目的に沿ってお話をしていただき教員では話のできない授業をしていただきました。

東レ株式会社 CSR推進室 中嶋様からは学校の授業では絶対に教えることのできない最先端の技術を用いた製品の開発の話や、それを応用した世界中で実践されているSDGsについてお話していただき生徒のみならず教員も話に引き込まれてしまいました。水をろ過する最先端の技術にも驚かされましたが、その技術がないと世界の人々に安全な水を届けることが出来ない、無くてはならない技術を日本の企業が開発しているということに誇りを感じました。

普段の学校での授業では話のすることのできない講話なので、中学校生活の中の1度だけでなく2度3度とご講話いただけると更に身につくと思いますので、継続して二年生、三年生でもできればよいと考えています。講話をいただける企業を探していただいた「おやじ日本」池田様をはじめ、お忙しい中、講話をしていただいた各企業の皆様には感謝申し上げます。

生徒の感想文から(抜粋)

《講師 読売新聞東京本社 石橋大祐様

○読売新聞の石橋さんからは、高校生たちがびわ湖であしを刈る時に一からSDGsについて学び、学んだことを地域の人たちに伝えるテクニックを身につけてからあしを刈ったということや、SDGsは自分のこととして考えることが大切だということを教えてもらいました。お話を聞いて私は、これから家族と一緒に、身の回りのことから、SDGsの色んなことに取り組みたいなと思いました。

○私は、石橋さんの言葉「じぶんごとからはじめよう」が心にささりました。SDGsの取組みはなかなかハードで大変だと思っていましたが、日常生活の小さなことから工夫を始めることが大切と分かり、SDGsが身近になったような気がしました。また、「楽しみながらできるSDGs」も面白そうだと思いました。一人ではなかなか続かないことも友達や家族と一緒に活動することで楽しみながら続けていけると知りました。今回学んだことを今後の日常生活に取り入れていきたいと思います。「主役は自分達。じぶんごとからはじめよう」を忘れずにSDGs活動も勉強なども頑張りたいと思います。

○読売新聞のSDGsの話を聞いて思ったことが二つあります。一つは、新聞が再生紙でできていることと読売の森のことです。新聞紙には大量の紙が使われますが、この紙に再生紙が使われていると聞いておどろきました。また、読売の森という森にいろんな木を植えて環境にもやさしい取り組みをしていることを知って驚きました。二つ目は、SDGsは他人任せにするのではなく自分でやることが大切だと教えてもらった。びわ湖の高校生のようにはできないかもしれないが、日常できることをやっていきたいと思いました。

《講師 株式会社ゼンショーホールディングス 西山春希様》

○ぼくは西山さんの話を聞いて、すごいなあと思ったことがあります。その一つはSDGsです。ゼンショーホールディングスが取り組んでいる内容をていねいに説明してくれたので、一つ一つの内容がしっかり頭に入ってきました。そのなかでぼくが特にすごいと思ったのは、子供たちが朝早く水をくみにいかなければいけない国で水道を作ったという話です。それで子供たちは学校へ行けるようになるし、それによって助かる命もたくさんあると思い、ぼくも大人になったら直接ではなくてもそういう人たちの命を助けられるような職業につきたいと思いました。

○西山さんのお話を聞いて、ゼンショーホールディングスの経営理念が「飢餓と貧困を撲滅する」ということを知り、この目標のために多くの店を経営して多くの人に食事を楽しんでもらっていることが分かりました。また、外国で水道をつくったり学校を建設していることも、SDGsの取組みで必要なことだと思いました。お話を聞いて、将来はSDGsに取り組んでいたり、環境を守っている会社で働くこともいいなと思ったし、職場体験でもSDGsについて聞いてみて、将来働くことについて考えたいです。

○今私は、学校に通えているし、家もあって毎日3食のご飯が出ます。そんな生活の人に貧しい人の気持ちは分かりません。ゼンショーホールディングスでは毎日水くみをしないといけないような地域に水道を作ったり、対等な価格で売買していると聞きました。私はあまりSDGsをしたことがありません。貧困な国の人たちのことをあまり深刻に考えてないかもしれません。日本だから大丈夫とか思っているかもしれません。でも、少しずつでもいいから、自分事としてとらえるようにしていかなければいけないと思いました。

《講師 東レ株式会社 中嶋 環様》

○東レ株式会社の中嶋さんの話で、ペットボトルをリサイクルし、せんいが作れることを知りました。さらに、海の、まだきれいではない水を「中空糸膜」というものを使ってきれいな水にしていました。東レのやっていることを聞いて、いろいろなものをもっとリサイクルし、それが地球を守ることにつながるのがすごく夢があっていいなと思いました。

○東レの中嶋さんの話を聞いて、僕の生活が少し変わりました。ひとつはペットボトルの捨て方です。ペットボトルのリサイクルにたくさんの手間がかかっていることを知り何かできないかと考えた結果、ボトルを洗ってからゴミ出しすればスムーズにリサイクルできると考えました。家でペットボトルを洗っていた時に、これも少しはSDGsに役立っていると思うと、なんだか楽しく、良い気分になりました。日常の身近なことから取り組めるようになってよかったです。

○東レのSDGsの取組み方を聞いて面白いと思ったことが2つあります。1つは素材の作り方です。東レでは服を作る化学せんいを作っているのが驚きでした。化学せんいは環境に悪いのではないかと思っていましたが、逆に環境に良く、SDGsの目標項目12番の「つくる責任、使う責任」を達成しているのも驚きでした。2つ目は汚い水を綺麗にする中空糸膜です。これはSDGsの14番「海の豊かさを守ろう」を達成していました。この布ひとつで沢山の水をきれいにできるのは驚きでした。中嶋さんから東レの取組みを知って、僕も東レのようにたくさんのSDGsに貢献したいと思いました。