内閣府をはじめ様々な調査が、我が国の青少年の多くが自尊心を持てず、また、社会的関心が低いまま、18歳成人を迎えようとしていることを示している。

 多くの親が子供の将来を良くしたいと勉強に急き立て、習い事に通わせるなど、親としてできることは精一杯やっていると信じているにもかかわらずにである。

 他方で、子育て困難家庭も少なくない。そこでは、自分の存在価値すら認めることのできない子どもたちが生まれている。

 子どもたちが社会に自信をもって出ていくことは難しい時代で、子どもも親ももがいている。そこへAIに代表される新しい世界が目前に迫っている。

 これまでの学校や家庭の子どもたちへの対応が、これからの時代を生きる子どもたちにどれほど役に立つものなのか、誰もが疑問に思っているだろう。だが、その疑問はぼんやりしたもので、誰も答えを教えてくれず、もやもやしたまま、流れに任せてしまっているのが現状と言ってよい。有識者の様々な言葉もそんな疑問に答えることは少ない。

 しかし、もう手をこまねいている時ではない。これまでの足りない点を明らかにして、多くの親や先生が自信をもって子育てできるようにならなければ、子どもに対する大人の責任を果たすことにはならないだろう。そのために、これまでのやり方の間違い探しではなく、なぜこのような事態になったのかを明確にし、それを克服する鍵を探ること、既存のシステムの大きな変革を躊躇することなく、根本的に考え直してみることが喫緊の課題となっている。

 おやじ日本は昨年の大会以後、このような視点で、外国におけるやり方、考え方、各種調査の検討、有識者の見解の収集などに努めてきたが、今年の大会では、これらを踏まえて、高等、中等教育の経験者、行政経験者等を交えて、徹底的な議論を展開したい。