日  時 2018年12月14日(金)13:30~15:20
学  校  名 目黒区立目黒中央中学校
実施学年 2年生 6クラス(211名)クラス単位で実施
課 程 等 総合的な学習の時間
授業内容 キャリア教育「プロに聞く会」
協力企業 KCJ GROUP株式会社
 キッザニア事業本部 営業部 大久保 将様
株式会社ゼンショーホールディングス
 人事部 人財開発課 阪田啓太様、川平真由子様
株式会社竹中土木
 技術・生産本部 技術部 椎葉偉久様、大村啓介様、佐藤裕考様
東レ株式会社
 医薬・医療事業企画推進部 渕 信寛様
三井住友カード株式会社
 東京お客様相談室 清水健二様、経営企画部 CSR室 松村秀明様
ヤマト運輸株式会社
 南東京主管支店 人事総務課 伊藤弘志様

        

「プロに聞く会」を終えて

第二学年担任 鈴木 美緒

本校第二学年では、実際に社会で働いている方々のお話を聞くことにより、望ましい勤労観・職業観を育て、自己の生き方を考える機会とすることを主眼とし、講師の方の職業を通しての生き方を学ぶこと、来年1月の職場体験への関心意欲を高めること等を狙って、「プロに聞く会」を実施しました。NPO法人おやじ日本にお願いしたところ、6社の講師の方々を紹介してくださり、生徒たちにかけがえのない経験を提供してくださいました。大変感謝しております。
私は、東レ様の講座を2回見させていただきました。東レ様の最先端の科学技術を、実験を踏まえながらお話してくださったため、生徒がとても関心をもっていました。また、本校の今回の学校行事である「プロに聞く会」のコンセプトにあわせて、講師の渕様がご自身のキャリアや、仕事をするうえで大切にしていることをお話してくださり、働くプロの生の声が聴くとてもよい経験になったと思います。また、東レ様が環境問題に対して、どのような技術で改善に貢献されているのかという切り口でお話をしてくださったので、生徒は「何のために働くのか?」という仕事の意義について、改めて考えるきっかけになったと思います。東レ様は、事前に来校されて、理科室の確認とコンピュータ機器の接続の確認や、理科室の片付けと教材の返送の手立てまで整えてくださりました。お忙しいなかで、準備から片づけまで、滞りなく行ってくださりました。
おやじ日本の皆様には、事前に本校を訪問して打ち合わせをしてくださり、準備を入念にしてくださりました。本校はセキュリティチェックが厳しく、外部のコンピュータ機器の接続に不安を感じていましたが、企業の皆様に事前確認をしてくださったり、データをCDで持ってきてくださったりしていてだき、接続の問題もなく無事に実施することができました。今後も、おやじ日本の皆様に協力していただいて、様々な企業の方のお話を本校の生徒が聴く機会をいただけたらと思います。ありがとうございました。

生徒の感想文から(抜粋)

《講師:KCJ GROUP株式会社 大久保 将様》

○私は将来自分がやりたいことが決まっておらず、何を目標にしたらいいか分からず、焦っていました。しかし、今回のお話を聞いて、何のために働くのか、働いた先で待っているのは何か、働くためには何をしなくてはいけないのかが良くわかりました。お話のなかで、「海外では日本の考えで仕事を進めようとしても進まない。」というのがありました。そこで「相手の考えを尊敬することでスムーズに進む。」ということがよく分かりました。お話を聞いて、これから大人になるにつれて色々な人と出会うなかで私の考え方も変わっていくのかなと思いました。
○プロの話を聞く会を通して、自分の将来についても改めて考えることができました。ぼくはまだなりたい職業が決まらず、将来が不安でした。ですが、大久保さんの話を聞いて、仕事はやる気があるかないかや誰のためを思って仕事をするのかで大きく変わるんだなあと思いました。また、将来自分がやりたい仕事につくために、今のうちに勉強をがんばろうと思いました。この会で、多くのことを学べてよかったし、将来に向けての視野が広がりました。
○印象に残ったのは、3人のレンガ職人の話です。3人とも同じ仕事をしているのに仕事に対する感情が全くの別物でおもしろいなと思いました。私はこの話を通して、仕事は自分だけのためにやるとつらいけど、自分が仕事をしたことによって助かる人たちのこと考えれば、どんなに大変な仕事でもやりがいがあるということを学びました。今回の講演を通して、人を幸せにできるような仕事につきたいと思いました。これからさらに仕事についての考えを深めていきたいと思います。

《株式会社ゼンショーホールディングス 阪田啓太様、川平真由子様》

○お話を聞くまでゼンショーホールディングスという会社のことは知らなかったけれど、身近な飲食店がたくさんある大きな会社だと分かりました。世界から飢餓と貧困をなくすといった目標はすごく大切なものなんだと思いました。どの仕事も、ただお金をかせぐためにあるのではなく、誰かのため、何かのため、世界をよりよくしていくためにあるんだなと思いました。職場体験では、このことを活かしていきたいです。
○ゼンショーホールディングスの阪田さんの話を聞いて、仕事は誰かの役に立っているんだと感じました。ゼンショーホールディングスには「すき屋」など色々な飲食店があって、こんなに飲食店を経営しているのはとても大変なことだと思いました。しかし、この仕事の目標や仕事内容が好きだからやり続けられていることだと感じました。どんな仕事も誰かの役に立っていることが分かったので、将来、好きなことで人の役に立つ仕事につきたいと思いました。
○今回の「プロに聞く会」は、講師個人のことや、何に見えるかクイズをまじえて教えてくれたので、楽しく、参加することができました。ゼンショーホールディングスが世界から飢餓と貧困を撲滅するという企業理念を大切にしていることを知りました。お話を聞いて、僕も就職するとしたら、その会社の企業理念も参考にして決めようと思いました。ムダを省いて牛丼などの食事を低価格で提供する工夫や意味などもよく分かりました。

《株式会社竹中土木 椎葉偉久様、大村啓介様、佐藤裕考様》

○今回のプロの話を聞く会で竹中土木の方の話を聞いて思ったことは、仕事は誰かの役に立つということです。話のあとで実際に生徒の代表でレンガの橋を作りましたが、仕事の大変さが体験的に分かりました。今の生活に役立っている物はこういう助けがあって作られているのだと実感しました。今回の話を聞いて、仕事は大変なこともあるけれど、自分達が協力して成功したときが一番うれしいことが分かりました。
○竹中土木の授業を受けて、毎日当然のように使っている建造物を作るという重要な仕事だと知りました。たまに家を建てている所を見ることはあっても、トンネルやダムの工事まで考えたことはありませんでした。「アーチ橋体験」では、アーチ橋の強度を身をもって理解し、先人たちの知恵の重要さを感じました。わたしは、今回の会を通して職業や仕事をすることについて知ることができ、将来の良い参考になりました。
○今回の授業では、レンガと砂、水だけでつくるアーチ橋づくりの体験がなにより楽しかったし、印象に残りました。砂と水だけのつなぎなんて、すぐに壊れると思っていたのに、みんなで渡ることができてビックリしました。そこで思ったのが達成感です。生徒が作った橋がきちんと橋として渡れたことにすごくそれを覚えました。また、この体験から、一人では作れない、人との協力が大事だと分かりました。仕事の楽しさというのは出来上がったあとにもあるのだと分かった、貴重な体験でした。

《東レ株式会社 渕 信寛様》

○今回の「プロに聞く会」までは東レさんを知りませんでしたが、私たちの身近にあるものをたくさん作っていることが分かりました。大手の名が書いてある家電製品や衣類など多くの物の素材として影で支えていて、縁の下の力持ちのような仕事をしていてすごいと思いました。一番おどろいたのは、海水を飲み水にする技術です。実際に実験したとき、青かった水が無色のすき通った水になっていて、水に溶けた塩も取り除けると聞いて、すごいと思いました。
○私は理科があまり好きではないので、東レの研究者のような職業に就く可能性は低いだろうなと思っていましたが、渕さんの話を聞いて、東レで働く人は何も研究者だけではないということが分かりました。事務の仕事やPRの仕事など、裏方の仕事があり、研究者も含め、そういった全ての社員の方々が一つの会社をつくっていると感じました。東レで働いている人が自分で開発した物を使った商品が街中で売られていたらやりがいを感じるように、どの職業に就いても、自分が「働いてよかったな」と思えるような仕事を見つけたいと思いました。
○先日のプロに聞く会で、東レの渕さんからたくさんのことを学びました。中空糸膜の実験では、科学の力を使えばあんなに青色に染っていた水溶液を透明に戻すことができることにおどろきました。そして、これらの新技術を開発するのには長い年月と大変な苦労があることを学びました。普段ぼくたちが利用している便利な製品なども、科学者たちの大変な苦労があることを知って、身近な製品の見方が変わりました。

《三井住友カード株式会社 清水健二様、松村秀明様》

○清水様、村松様のお話を聞いて、僕たちが将来手にするであろう、カードの良さ、種類などをくわしく知ることができました。近年では、日本の技術が進んでいて、僕たちが大人になる頃は、カードや財布ではなく、スマートフォン1台で、わずか0.3秒で会計ができる時代になると教わり、とても驚きました。クレジットカードを持つには信用が大事であると知りましたが、信用はどのようにして得ることができるのか分からないので知りたいです。今回の会で将来ぼくたちが大人になったときに役立つ情報を得ることができました。
○プロに聞く会で多くのためになる話を聞くことができ、勉強になりました。私が心に残ったことは、お二人の、仕事で失敗したときの話です。私は失敗するとズルズル引きずってしまうことがとても多くて、周りに助けを求めることもあまりしていなかったと思います。ですが、今回のお話を聞いて、「周りの仲間と助け合って乗り越えることが大事だ」という考えが分かったので、常に頭に入っているようになりました。
○今回の話で、キャッシュレス社会の利点やカードを使うことのメリット、デメリットを学べました。初め、ぼくはカードより現金の方が使いやすいと感じていました。ですが、話を聞いて「最悪、落としても直ぐに停止できる」ことや「使える金額が制限される」ようなこが分かり、「クレジットカードもいいな!」と感じました。今はまだ未成年だけど18歳になったらお金の管理や責任も自分でとらないといけないので、今のうちにお金のことを学ばないといけないなと思います。

《ヤマト運輸株式会社 伊藤弘志様》

○ヤマト運輸が家の近くにあることもあって、よく知っている会社ではあったのですが、実際にお話を聞いてみたら意外なことを知ることができたし、再配達の質問をしたら「気持ち的には百万回ぐらいしたいのですが・・・」という答えがあって、何事にも一生懸命だと思いました。今回の授業で、実際に働いている人の様子をたくさん知ることができてとても良かったと思います。今回のことを視野に入れつつ来年1月に控えた職場体験をしようと思いました。
○私は今回のプロに聞く会の話で、今まで知らなかった荷物を運ぶ仕組みやどのようなやりがいを感じることができるかを知りました。「何回まで再配達してもらえますか」という質問に対して伊藤さんが「気持ちとしては100万回でも行きたい」と答えるのを聞いて、それだけお客さんのことを大事にしていることがすごいなと思いました。お話を聞いて、仕事をすることの大変さや大切さが分かったので、このことを職場体験にも生かしていきたいです。
○伊藤さんの話を聞いて、配達する一人一人の想いを乗せて一生懸命に荷物を運んでいるという姿勢に心を打たれました。ぼくも将来、仕事に就いたら、そのくらい熱心にやりたいと思いました。今回の話は、将来仕事を選ぶ上でとてもためになったし、仕事内容だけでなく、実際に働いている人がなぜその仕事を選んだのか、どんなことにやりがいを感じているかなど、とても参考になる話を聞くことができてよかったです。