日  時  平成29年3月15日(木)10:45~12:35
学  校  名 渋谷区立上原中学校
実施学年 3年生 3クラス(95名)クラス毎に2社の話を聞く
課 程 等 総合的な学習の時間
授業内容 未来教室
協力企業 株式会社竹中土木
 技術・生産本部 技術部 佐藤裕考様、今井政之様
 技術・生産本部 技術開発部 四宮みゆき様
三井住友カード株式会社、
 経営企画部 広報室(兼)CSR室 西岡由香梨様
読売新聞東京本社
 教育ネットワーク事務局 岩本洋二様

    

   

3社による「未来教室」の感想

                                   3年担任一同

《講師 読売新聞東京本社 岩本洋二様》

《講演内容》

1 報道の仕事について

→ニュース(情報)を伝えることが、新聞社の社会的役割であるということ。

2 ニュースの価値判断は、多くの人の「幸福」「共感」「関心」が判断基準になっているということ

3 ニュースを受け止める側の価値観のちがいにも注意するということ

情報メディアの伝達や発信・受信・相互交流や情報の編集などについては、生徒たちは、2、3年生の国語科授業で学習してきたため、興味をもって講演を聞くことができたようだ。今回の講演では、講師の先生の多彩な経験から、新聞社の社会的役割という社会的観点からのお話に加え、クイズを交えた「ニュース」記事をどのように選んでいくのかという内容、さらには、「ニュース」を受け止める側の価値観にも左右されるというお話をいただいた。
特に、「ニュース」記事をどのように選んでいくのかという内容では、過去のある一日の朝刊を例に挙げて、どの「ニュース」をトップ記事にしたかをクイズ形式で生徒に問い、答えた記事の理由を聞き出すなど、生徒の考える力を引き出していた。その後、当日の朝刊を実際に画面に大写しにし、ニュースの価値判断は、多くの人の「幸福」「共感」「関心」が判断基準になっているということを説得力をもって示していた。
最後に、台湾地震時の情報発信におけるデマの拡散、炎上について、中学生の情報発信についての警鐘を鳴らせつつ講義していただくなど、講演の展開が生徒や教員を惹きつけるものとなり、意義深い体験となったと考える。

生徒の感想文から(抜粋)

○いつも何気なく見ていたのですが、新聞の一面やちょっとした記事でも、それぞれの読者の関心や幸福などを考えて、毎日の会議でどのニュースが重要かを話し合って、のせる記事やその大きさを決めるのだと知りました。私の新聞の読み方が変わると思ったし、たくさんある情報の中から、自分で判断して物事を決められるような大人になりたいと思いました。○新聞は、衆議院の投票日などできるだけ多くの人が関係していたり、投票率の低下を防いだりと、様々な工夫されていて、すごいなと思いました。大きなニュースがあるとどこかのページを削ってそこに入れることなどたくさんの工夫があって、型の中で臨機応変に対応していく力や、どのニュースを大きく報じるかという見極める力がとても重要になることが分かりました。
○新聞記者の仕事は、取材したり記事を書いたりそれをまとめるだけでなく、どのニュースが読者にとって重要かを考えて載せるか載せないかを決めるのが大きな仕事だと知りました。また、デマを信じるのではなく、まず疑う、「裏をとる」ことが大事だと学びました。私も、もしそういうデマの情報が流れてきた場合はまず疑い、安易に広めることはしないようにしようと思いました。情報が正しいかどうかを判断し、見極めていくことが読者の役割だと思いました。私も普段からそうしていきたいです。

《講師 三井住友カード株式会社 西岡由香梨様》

《講演内容》

①クレジットカードの仕組み、特徴について

②仕事内容

③なぜこの仕事を選んだのか

④仕事をする上で大切にしていること、心掛けていること

⑤中学生の皆さんに頑張ってほしいこと

私たちの身近にあるカードを例にあげ、中学生であっても何らかのカードを所持し、生活には欠かすことができないものであることを改めて認識する機会になりました。そして、近い将来使用するであろうクレジットカードについて買い物の例を挙げ、支払いの仕組みについて丁寧に説明していただきました。パワーポイントがとても見やすくまとめてあり、具体例等も画像がありわかりやすかったです。また、クレジットカードの便利な点、利用する際に注意しなければならないことも説明していただきました。「カードの利用は計画的に」という言葉に生徒は、日常生活の全てのことに共通していると納得しながら聞いていました。最後に、仕事をする上で大切にしていることについてお話しいただきました。
・人は必ず支えられている。互いに信頼することもされることもある。だからこそ、周りの人を大切にしよう。
・自分の仕事の前後には必ず他の人の仕事がある。期限は守り、仕事は丁寧に行うことが重要。そして、感謝の気持ちを忘れない。
このどちらも学校生活でも必要とされる資質であり、生徒も自分自身に置き換えて考えることができました。また、今回は仕事を通して、働くことの大変や社会の仕組み、そして社会から必要とされる人になるために、目の前のことにきちんと向き合い、今しかできない経験を積んでいくことの大切さについて教えていただきました。

生徒の感想文から(抜粋)

○今回の授業で学んだことがたくさんあります。「カード」には色々あって、ポイントカードやクレジットカード、また、今まで知らなかったカードがあることまで知りました。クレジットカードは自分の通帳から引き落とされることは知っていたけれど、もしお金が不足していた場合のことなどが分かり、将来クレジットカードを使うときには気をつけねばと思いました。そして、西岡さんがなぜこの仕事についたのかという話を聞いて、私は、何事もあきらめないで色々なことにチャレンジする気持ちが大切だと学びました。
○クレジットカードについて詳しく知ることが、僕が将来クレジットカードを持つようになったときに今回の話が役立ちそうだと思いました。また、色々なことを経験することがどんな職業につくにも大切で、生かすことができるという話を聞いて、自分もこれから色々なことに挑戦してみようと思いました。
○今回西岡さんのお話を聞いて、クレジットカードはとても便利だけど、それと同時に危険な部分があることを知りました。僕がカードを使いすぎてしまったり、失ったり、そんな誰にでも起こりうる「もしも」のことを聞いて、自分が使うときは今回の話を忘れずに気をつけていこうと思いました。また、今まであまり関心を持っていなかったカード会社の仕事にも「困った人を助けることができる」という点で、すごくよい仕事だと思いました。

《講師 株式会社竹中土木 今井政之様、佐藤裕考様、四宮みゆき様》

《講演内容》

1組は株式会社竹中土木の皆様をお迎えして、講演をしていただきました。
講演では我々が生活するための道路やトンネルができるために歴史的建造物から学んだ技術や科学が使われていることを教えていただきました。道路やトンネルができるまでに、様々な工夫があり、多くの人々が関わっていることを改めて生徒は学ぶことができました。
また今回は講演だけでなく代表生徒10人によるアーチ橋作りの体験をさせて頂きました。レンガと土と水だけでできたアーチ橋をクラス全員が渡り,男子生徒が何人も乗れることに大きな驚きの声があがりました。
その後、生徒からの質問コーナーで社員の方が土木の仕事を始めるきっかけや学生時代の経験、仕事のやりがいについても語ってくださいました。実際に施工に関わったトンネルや道路を通った際の感動など実体験に基づいた、お話しを頂き、より深い学びを得ることができました。
生徒の感想からも「通過するだけだった道路やトンネルに多くの人が関わっていることに気づくことができた」という一文がありました。中学生にとって仕事のイメージは、職場体験でお世話になった事業所や事前学習で調べた身近な職業が中心でしたが土木という目に見えにくいお仕事を今回の講演で学んだことで一段とはたらくことイメージを大きくすることができました。

生徒の感想文から(抜粋)

○私は小さい頃、よく、公園の砂場で泥遊びをしていました。お話を聞いて、土木の仕事と少し似ているような気がします。何もない状態から何かをつくる、その達成感はすごいんだろうなと感じました。特に印象に残ったのはアーチ橋です。私たちがつくったのに一切崩れないことに驚きました。一見簡単そうにみえる技術が、いくつもの経験からなっていることを体感しました。
○ぼくは最初「土木」というものがどういう仕事か知らなかったが、今回の未来教室でぼくたちの周りにあるものが「土木」の仕事によってつくられていると分かった。道路やトンネルなど、当たり前にあるものを無の状態からつくりだすという仕事はとてもかっこよく感じた。また、アーチ橋を実際つくってみたが、レンガ、土、水だけであれだけ頑丈な橋ができるのはすごいことだと思った。と同時に、ぼくたちの生活がたくさんの仕事によって支えられていることが分かり、この事実を忘れず感謝しながら生きていきたいと思った。
○「土木」と聞いても何のことだかよく分からなくて、建築関係のことかな?ぐらいに思っていました。兄が建築の仕事をしていて、力仕事というイメージしかなかったんですが、今回の未来教室で、土木といってもたくさんの仕事があって、とても大変な仕事だと知りました。自然を相手に何もないところからつくる仕事の話を聞いてかっこいいなと思いました。橋を作る体験では、砂と水だけでレンガを止めててすぐ崩れるんじゃないかと思ったけど、男子が7人乗れたのを見て、すごいと思いました。