日  時 平成27年12月17日(木)13:30~15:20
学  校  名 目黒区立第八中学校
実施学年 2年生 2クラス(76名) 生徒の希望により3グループに分け、各グループ2社の話を聴く
課 程 等  総合的な学習の時間
授業内容 生き方教室「仕事をするということ」
「金融の役割と三井住友フィナンシャルグループについて」(三井住友銀行様)
「生き方教室」~『働く』中で大切な事~」(ゼンショーホールディングス様)
「私の会社と仕事のお話」(パナソニック様)
協力企業 株式会社三井住友銀行
 経営企画部 CSR室 上田有佳様経営管理本部
株式会社ゼンショーホールディングス
 人事部 人財開発課 木村和彦様、鈴木希子様
 SK戦略室 SKWeb戦略課 鵜飼啓介様
パナソニック株式会社
CSR・社会文化グループ 事業開発室 山口大輔様

目黒第八中学校① (2)  目黒第八中学校② (2)  目黒第八中学校③ (2)  目黒第八中学校④ (2)  目黒第八中学校⑤ (2)  目黒第八中学校⑥  目黒第八中学校⑦

生き方教室「仕事をするということ」

株式会社ゼンショーホールディングス木村和彦様、阪田啓太様、鵜飼啓介様の授業

2年担任教諭 佐藤創

 まず、一般的な会社の販売方法とマスマーチャンダイジングシステムを比較して原価100円のものをどのように売るか、安く多く売るために工夫しているか説明がありましたが、具体的で大変分かりやすく、生徒にもよく伝わったと思います。
世界外食ランキング7位の企業が単なる「儲け」だけでなく、「世界の飢餓と貧困を撲滅する」という企業理念をもって活動しているのも勉強になりました。目先の儲けに目が行きがちですが、会社というのは世のために役立つためにあるという信念・理念をもって経営していることは生徒にとっては新たな発見になったことと思います。その中で具体的な数字を出し、いかに日本が恵まれた国か、世界には飢餓・貧困が多いのかということも分かりました。ただ飢餓や貧困に対してどのような活動をしているのかをちょっとでも具体的に示してあるとさらに良かったと思いました。
後半の「字のクイズ」・「コミュニケーションエクササイズ」を通して、相手の立場を考えること・社会性を身に付けること・挑戦することを恐れない人になってくださいというメッセージがとてもよく伝わりました。
一時間の授業で生徒たちはとてもよく発言し、目を輝かせながら話を聞いていたと思います。感想には今日の話を聞いてこれから行う職場体験に生かしたいと多くの生徒が書いてありました。翌日の授業では騒がしくなったときに、「ゼンショーの人たちが言っていただろ!(相手の立場になって考えろ)静かにしろ!」と言っていた生徒がいました。このことだけでも価値のある授業だったと思います。 50分という限られた時間の中で飽きさせず、生徒はとても楽しめ、そして勉強になった授業でした。ありがとうございました。

三井住友銀行上田有香様の授業

  2年担任教諭 並木 光市

 先日は本校にお出で頂き、生徒たちのキャリア学習のためになる、興味深いお話をありがとうございました。まず、銀行というと堅苦しいイメージがありますが、楽しいクイズを通してトリビアな薀蓄を傾けられて、生徒の関心を引き付けられました。そして、金融の仕組みについて、非常にわかりやすくまとめられ、生徒たちもその概要を知ることができました。
後半の自己紹介からは、上田様自身の経験から貴重なお話をいただきました。ベビーカーを使うようになって初めて気が付かれたことや、仕事に慣れてきたときに壁にぶつかり悩まれたことなど、生徒たちにはまだ先の事ですが具体的で納得のいくお話でした。思い込みで仕事をしてはいけないこと。良く話を聴き、相手から何が必要とされているのか引き出していくことの大切さがわかりました。
最後にまとめられていた三つの事、「妄想すること・目標を持つこと・感謝を忘れないこと」は、生徒たちの印象にも深く刻まれて、今後の成長の糧となることでしょう。また、子供のころに将来なりたかった職業が銀行員ではなく、成長につれていろいろ変わっていったというお話も、今の生徒たちには非常に参考になったと思います。
この特別授業を通して、生徒たちも新鮮な気持ちでいろいろと学ぶことができました。ありがとうございました。

パナソニック株式会社山口大輔様の授業

主幹教諭 水間英文

   パナソニック株式会社の創業者である松下幸之助さんの考え方、生き方は、21世紀を迎えた今日でも、我々の羅針盤として参考になります。この未来教室では、今を生きる子子供たちに対して、新しい発見と共に心の中を揺さぶり、人生の糧を育まれることを確信して、参加させていただきました。 「会社が社会の中で担っている役割」「私の仕事」「仕事上の困難を乗り切るために」「企業が求める人材」「アドバイス」の五項目を中心に、松下幸之助さんの語録を踏まえつつ、子供たちの理解が深まるようなお話の工夫がうかがえました。
多くの人々の生活を豊かにするために「商売とは人に『感動』を与えることである。」という松下幸之助さんの創業の思いは、子供たちにとって新鮮で、驚きだったようです。ただ利益を追求するだけでなく、夢を追い続ける姿勢に企業としての力強さも伝わってきました。子供たちにとっては、望ましい勤労観・職業観について考えるきっかけとなりました。
また、仕事上の困難を乗り切るために必要なことについて、仕事に求められる技術の違いという本質に関わる部分を押さえてお話をされていました。中学、高校、大学それぞれの段階における積み重ねの大切さを痛感しました。
まとめとして、先を見据えたアドバイスの話では、「『時間』をかければできる」「『考え方』をかえればできる」「『人』を集めればできる」の三点を、子供たちは的確に捉えることができました。子供たちが理解できるよう工夫された講演内容だったと思います。
今回の貴重な講演をいただいた山口大輔様に、深く御礼申し上げます。

生徒の感想文から(抜粋)

株式会社ゼンショーホールディングス木村和彦様、阪田啓太様、鵜飼啓介様の授業

○話を聞いて僕が驚いたことが2つあります。1つめは、魚、牛、大豆の国産の割合が低いことです。特に大豆はたったの8%でした。8%ということは残りの92%は外国産ということになります。こんなに国産が少ないとは思ってもみませんでした。これからもっと少なくなるかもしれないし、改めてヤバイことを実感しました。2つめは「日本から見て当たり前のことも世界から見たら当たり前ではない」ということです。日本が裕福な国と思われているのには正直とても驚きました。これからはもっとお金を大切に使っていこうと思いました。この講座で習ったことを日々の生活に生かしていきたいです。
○私が一番心打たれたのは「世界から飢餓と貧困を撲滅する」というモットーでした。世界には飢えに苦しんでいる人々がたくさんいるということを聞いた時、私の生活がすごく恵まれていることを再確認しました。以前、青年海外協力隊の方にお話を伺ったことがあり、飢餓や貧困についての話が今も記憶に残っています。そんな中でゼンショーホールディングスさんのモットーのお話を聞いたときは、世界が広がったようで、びっくりし、同時にとても尊敬しました。もう一つ心に残っていることは、挑戦することです。学校という集団生活の中でなくなってきているのが挑戦する心だと思ったからです。これからはたくさんのことに挑戦し、また、飢えや貧困に苦しむ人達の声に耳をかたむけられる、そんな人になりたいと思いました。
○今回の授業で、「相手のために考えるのではなく、相手の立場になって考える」という言葉が心に残りました。普段の生活で考えてみると、僕も相手のことは考えてはいるけれど相手の立場になって考えていることはなかったので、これからは、立場になって考えて、相手とよりよい関係をつくりたいと思います。また、人の目を気にせず、自由に挑戦していき、また、挑戦できるような環境をつくりだせる、そのような人間になりたいと思います。

三井住友銀行上田有香様の授業

○お話を聞くまで、銀行の仕事は窓口業務くらいしか知らなかったので、その他のいろいろな仕事を知ることができて、とても勉強になりました。その他にも、「社会人の基本」のうちの1つである「ほう・れん・そう」や「スケジュール管理」についてなど、今からでも少しずつやっていけるような社会人へ1歩踏み出す方法なども知ることができてよかったです。特に上田さんが強くおっしゃっていた「妄想(わくわく)すること」は今からでもできることなので、少しずつでも将来について、わくわくと考えていきたいと思います。
○とても貴重な話をしてくださり、今後の社会生活で実践しなければいけないことばかりでした。まず印象に残ったのはスケジュール管理です。僕は手帳もつけていないし、スケジュール管理があまりできていません。しかし、スケジュール管理で、ミスも起きにくくなったり、頭の中が整理されたりできるので、これからは管理していきたいです。それと、感謝の気持ちを持つこと。これが今回の話で一番印象に残ったことです。僕は、このことは、社会に出てからだけでなくて、今でも大切だと思います。仕事や家事をこなしてくれている両親、いつも優しく接してくれる友達、様々なことを考えてくれる先生方、僕に関わる全ての人に感謝しながら生きていきたいです。
○いつもは家族や先生など身近な人からしか話を聞けないので、とても貴重なお話を聞くことができたと思っています。コミュニケーションをとるのが苦手な私にとって、「シンプルに考えることが大切」というのは、私の中にない新しい考えだなと思い、これから取り入れていきたいと思いました。また、「妄想する・ワクワクする」ということ、「いろいろな視点で考える」ことは、今までしてなかったことで、いろいろの視点で考え、想像力、妄想力をつけたいと思いました。

パナソニック株式会社山口大輔様の授業

○「人々に喜ばれ、社会に貢献する」という言葉が印象に残っています。また、変化への対応力が備わっていることが仕事において一番大切なことであり、いろいろなことにチャレンジしていくことが大切であることが分かりました。お話の中で私が一番印象に残っていることは、「出来ない」を「出来る」にするには、というポイントについてです。一度出来ないことは次も出来ないだろうとあきらめがちな私ですが、このポイントを聞き、時間をかけ、考え方を変え、人を集めることで何か変るのではないかと考えました。私は社会に出ていく上で、今回学んだ様々なことを頭に入れ、チャレンジすることを忘れず、変化への対応力を備えて大人になりたいと思います。とても貴重な体験ができたと思います。
○会社とは、「社会に貢献するため」に、「人々に喜ばれるため」に存在しているとう考え方が、今まで持っていた会社のイメージと違い、とても驚きました。また、今のうちになんでもチャレンジすることが社会に出て必要だということも分かりました。僕は何かにチャレンジしようとしてもどうしても尻込みしてしまい、できないことが多いので、お話を聞いて、尻込みせずにいろいろなことにチャレンジしていきたいと思いました。そして世界で戦える尖った強みを持つ大人になって、世界に出ていきたいと思いました。英語力を身につけることが大切だということに、とても共感できました。英語を一生懸命勉強して、世界中の人と話したいと思いました。
○今回の講座で、挑戦することがどれだけ大切か、よくわかりました。山口さんの様々な経験談を聞いて、中学生である僕がこれからいろいろなことをやっていけば将来役に立つことが分かりました。今はPCで鉄道のシミュレーターを作っていますが、他のものを作ってみるなど、教えてもらったことを実践していきたいと思います。また、会社の社会的役割の話を聞いて、大人のやる仕事が社会でどれだけ大切かわかりました。今後、社会でどう動けば役割を果たしていけるか、考えていきたいです。